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(100)にしおりをはさみました!
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「この前、話してないことあるって言ったよね」
それは、突然抱きしめられたあの日のことだろうか
「言ってたね、どうしたの?」
「空には、知っててもらいたい」
律はとても真面目な色を乗せてこちらを真っ直ぐに見つめる
「僕で、いいの…?」
「空に、知ってもらいたいんだ」
「じゃあ、聞く」
知られたくないと言っていたことを知って欲しいと言われるのは素直に嬉しい
それだけ仲が深められたってことだろうから
律は大きく息を吸って、ゆっくりと吐いた
風に揺れる木々の間から覗く青い空を見上げ、口を開く
「俺、女の子のこと、好きになれないんだ」
少し緊張したような声で出てきたものは、
僕の心を揺さぶるには、少し大きすぎた
「そ、れは…恋愛対象が男だってこと?」
「そう
親の仕事の関係でこっちに来たって言ったよね
あれも間違いではないんだけど、本当は女の子が怖くて
お手伝いさんも女の子だとダメだし、メイドさんなんて女の子しかいないじゃん
それが、嫌で
ワガママ言ってここに入れてもらったんだ」
「女の子が、怖いって…?」
僕がそう聞くと、律は柔らかく微笑むだけだった
はぐらかされたのだ
なんとなくまだ踏み込んじゃいけないところなのだと悟った
ただ、さっきから胸のザワザワが止まらなかった
律の恋愛対象が男だと知ってから
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