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風邪をひく4にしおりをはさみました!
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風邪をひく4
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次に目を覚ましたのは紅色の光がカーテンの隙間から部屋へと入り込んでくる時間だった。
遥「…」
ゆっくりと上半身だけ上げ部屋を見渡す。
僕のゾーンは窓から向かって左側,要のゾーンは右側。お互いベットは壁に寄せている。
頭の方が窓側なため夕焼けの眩しさに目を細める。
ふと左手で目を隠そうとすると違和感を感じた。
左手首にあるのものから管が伸びてベットの横にある点滴の液へと繋がっている。
遥「よっと」
ベットから降り点滴がぶら下がっている棒を転がしながらリビングへと続く扉に手をかけた。
まだ熱が完全に下がってないようで少し目眩がする。ついでにぼーっともする。
«ガチャ»
遥「…おはよ?」
柊「遥ちゃん!?もう起きて平気なの!?」
僕を見るなりすごい勢いで近づいてきて肩に手を置き思いっきり揺らされる。
待って柊…。
まだ体調が悪いんだけど…
«バシン!!»
俊樹「やめろ馬鹿が…。病人になんてことをするんだ。お前の脳みそ大丈夫か?あ?」
柊「ご,ごめんなさい…」
思いっきり殴られた柊はその場にしゃがみこみ頭を抑えている。
殴った本人は僕に「大丈夫か?」と聞いている。
デジャブだ…。
遥「大丈夫だよ?…ていうか僕ってどれくらい寝てなのかな?」
首をかしげて聞いてみる。
するとずっとソファに座りテレビを観ていた要が「3日間」とだけ答えた。
遥「え?」
要「だから3日間って言ってるだろ」
遥「…ほんとに?」
要「今は火曜日の夕方だ」
そう言いながら要は僕の方に自分の携帯のロック画面を見せてくれる。
遥「…僕そんなに寝てたんだね。迷惑かけてごめんね?」
俊樹「気にする事はない…」
俊樹は何故かゆっくりと近づいてきて僕の頬に手を当てた。俊樹の手は少し冷たくて瞬さんを思い出す。
遥「ふふ,なぁに?」
懐かしさに目を細める。
自然に笑がこぼれる。こんなふうに頬に触れられたのは久しぶりだ。
俊樹「はぁ,お前はほんとに…」
遥「ん?」
俊樹「柊!!さっさと起きてこいつの飯でも作ってやれ!!」
何故か顔を赤くした俊樹は怒ったように柊のところに行って柊を蹴っていた。
要「遥,こっち来い」
ふらつく足取りでソファに座っている要の所へと行く。首を傾げ「ん?」と聞いてみる。
そうすればソファを2回ほど叩く。
座れってことかな?ふふ,何となくその姿がシンに重なる。
要「なぁ…」
遥「なぁに?」
要「…シン,瞬さん,麗って誰だ」
遥「ッッ」
もしかして寝言で言ってたのか?
…いや,どちらでもいいかな。
遥「シンと瞬さんと麗って言うのはね?僕の大切な大切な家族…だよ?」
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