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見えない未来 洸介過去アリバージョンにしおりをはさみました!
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見えない未来 洸介過去アリバージョン
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どんなに優しくしても、どんなに笑ってても、キミにはどこか影があって。
その傷を付けたのは知らない誰かで、俺はソレを癒す術を知らない。
抱き締めて、キスをして...深く繋がっても、キミとの未来が見えてこない。
洸介に大切な人が居たのは知っていた。
その人との別れは壮絶で、言葉に出すのも憚れるような事があったらしい。
別れた直後は、その時はまだ親友だった俺にも心を閉ざしてた。
まだどこか吹っ切れてない気持ちが見え隠れしている。
全部忘れてくれたらいいのに。
俺と付き合いはじめて、もう2年の月日が経ってるが、洸介に付き纏う影は消えない。
俺のこと好きって言う気持ちに嘘は見られないけど、洸介の全てを手に入れることはできない。
いつまでも過去の影に怯える俺と洸介。
ソレを聞けずにいるのは、洸介がまた自分の殻に閉じこもってしまいそうだから。
「名瀬が好きや」
そう言って笑う、洸介の笑顔を奪いたくなかった。
大事にしてたはずの洸介に、微かな変化があったのは、観客のいる音楽番組の収録での事だった。
何かを見つけて強ばる顔。
多分俺しか気づいてないだろうほどに、その表情の変化は一瞬だった。
笑顔で収録を終わらせて、逃げるように楽屋へと戻っていった洸介。
元々周りに愛想を振りまくタイプでは無いから、その行動を不思議がる者は居ない。
ー俺以外は。
「洸ちゃん?」
ノックの返事を聞かずに楽屋へ入る。
信じられないくらいに青くなっている顔色。
震える身体を抱き締めた。
「...何があった?」
固く口を閉ざして、首を降る。
俺に言えない何か...それはきっと過去の話。
「誰か、居た?」
考えられるのは、元カレ。
高校の同級生で一般人だと聞いてるその人が、今日の観客に居ても不思議では無い。
それにしても、この怖がり方は異常。
「ごめん、もう大丈夫や」
そう言う洸介の身体は、まだ震えてる。
俺から離れようとするが、そんなこと許さない。
安心させるように、何度もキスをした。
「ん...!はっ...」
強ばっていた表情が、蕩けるような表情になっていく。
キスが気持ちいいのだろう。
そしてその快感に縋ろうとしている。
普段なら楽屋でなんて絶対に許さない行為なのに、拒否する素振りは無い。
悲しくなってる気持ちを忘れて欲しくて、深くなる口付け。
下腹部に熱を感じで、ソレに手を伸ばす。
「...ぁ...名瀬...」
こんな所ですることじゃないって分かってるけど、止まらない。
洸介が抵抗しない事を確認して、下着の中に手を滑らせ直接触る。
刺激を待ちわびてたソレは、もう先走りの液を流して待っていた。
「触って欲しかったの?」
質問に真っ赤になる洸介。
しかしその答えは喘ぎ声に消された。
「あっ...ぁ!」
気持ちよさそうに腰を揺らす。
甘い空気が楽屋中に広がってきたその時、ノック音が響いた。
「...ゃ...ん!」
慌てて口を塞ぐ洸介。
「名瀬、おるんやろ?悪いけど、もう時間」
ノックの主はリーダーだった。
時間になっても来ない俺を迎えにきたようだ。
「...すぐ、行きます!」
残念だけど、ここでおしまい。
涙目の洸介にキスをする。
「本当にごめん。仕事終わったら家に行くから。絶対一人で帰らないで、マネージャーと帰るんだよ?」
もう一度深いキスをして、抱き締めてから部屋を出た。
今の洸介を一人にするのは怖い。
自分が一緒に帰れない事が悔しい。
仕事を終わらせて、すぐに洸介の家へと急ぐ。
マネージャーと連絡をとり、家に連れて帰ってることは確認してる。
まずはその確認がとれた事でホッとした。
合鍵で家に入りリビングを覗くと、待ち構えてたように洸介が抱きついてきた。
その姿が可愛くて、すぐにキスをする。
「お利口さんに待ってた?」
子どもに言うような質問の、その意味に気づいた洸介の顔は赤く染まってる。
「悪戯してない?」
そう言いながら洸介の下腹部をまさぐる。
頷いた洸介のソレは、ちょっと触っただけで熱を持ち元気になってくるのが分かった。
自分でシたりしてないみたい。
もう一度キスをする。
「いい子にはご褒美あげないとね」
その先の事を思い身体を震わせる洸介。
与えられる快感を思い出しているのだろう。
何もして無いのに、洸介自身は完全に元気になっている。
「...洸ちゃんのエッチ」
耳元で囁き、煽ると、ソレはふるふると震えてる。
「どうして欲しい?洸ちゃんの口から聞きたい」
「...や、意地、悪」
「何も言わないと分からないよ」
「...ぁ...も!触って、俺の触ってぇ」
洸介のお願いに、すぐにソレを触ってあげる。
でもそれだけ。
与えられると思ってた刺激がこなくて、涙を流す洸介。
泣かせたいわけじゃないんだけどなぁ。
「触ってるでしょ。これでいい?」
「っ...イヤ、ぁっ」
我慢できなくて俺の手にソレを擦り付ける。
「ヤラシイなぁ。どうして欲しいの?」
「ん、はっ...あ、あっ」
自分で快感を求めてる洸介に、俺の声は届いて無い。
仕方ないので、ソレを握りしめた。
「イヤ、やぁぁぁ!!」
突然止められた快感に、首を振って号泣する。
楽屋から我慢してたはずだ。
もうとうに限界は来てるのだろう。
「ヤダ、も...イカせて!ともが欲しい、ともので気持ちよく、させてぇぇ」
ボロボロと涙を流して懇願する。
自分が何を言っているのか分かってないのだろう。
その姿に理性が飛びそうになった。
寸でのとこで留まり、優しく抱き締める。
「意地悪して、ごめんね」
そこからは洸介が望むだけ快感を与えた。
とろとろに感じて限界がくるまで。
洸介が過去の事なんて忘れられるように...。
夜中に情事を終え、力なくベッドに倒れ込む洸介。
泣かせすぎて目が真っ赤になっている。
冷やしてあげようと、氷を求め台所に向かおうとするが、離れるのを洸介が嫌がった。
それでも洸介を落ち着かせて氷をとってくると、帰ってきた俺に子どものように抱きついてきた。
「...洸ちゃん...?」
「行か、ないでって...言ったのに!」
また泣いている。
とにかくベッドに寝かせて、目を冷やしてあげる。
頭を撫でてると落ち着いたのか、寝息が聞こえてきた。
洸介の過去に何があったのか。
一目見ただけでこんなにも洸介の気持ちを乱すほど、その過去が辛いものだったのだけは分かった。
癒してあげられない自分がもどかしい。
俺ができるのは、こうやって抱いて少しの間でも忘れさせてあげることだけ。
いつか、心から笑う洸介を見たい。
時間はかかるかもしれないけど、その時に側に居られるように...願う。
*****
洸介に暗い過去があるバージョン。
とある曲を聴いて思い浮かんだ話です。
洸介サイドも書いて、過去を出したい気もしますが...曲のイメージが名瀬だったので、そっちは書かない予定。
完全なる短編なので、過去は皆さんで想像してください!
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