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僕たちは、夜の電車に揺られていた
これから起こる事は怖くないとでもいうように
顔を付き合わせてニヤニヤしたりもした
「…優斗」
「ん?」
「……何でもない」
優斗の横顔をチラッと見て直ぐに肩に凭れる
僕達は、まだ未熟で
親の管理下に置かれている間は
完全な自由なんて、ない……
『鈴、好きだ』
『…ん、僕も……』
『なら、一緒に遠くへ行こうか……』
学校の化学実験室の隅で
僕達は抱き合い、唇を重ねた……
優斗はどう思っていたのか解らない
でも僕は今日初めて優斗から『駆け落ち』の話を聞き
驚きながらも、そのロマンチックな響きに胸がときめいた
優斗と一緒なら、何処へでも行きたい
幾つもの光が走るのを、電車の窓から眺めた
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