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〇〇様の言う通りにしおりをはさみました!
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〇〇様の言う通り
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妖艶な微笑を保った侭、首元を嗅覚で検分される。
「おや?この匂いは…」
「……?」
暫く嗅ぎ分けられた後、古風な言葉を遣う青年は言った。
「お主の連れぞ。嫌われたかも知れないと嘆いておった故、その心配は杞憂じゃと云うておいたわ。」
切れ長の目がキュッと細まる。
「……して、お主の答えは何とする。」
「俺………は…………」
喘ぐ様な声しか出て来ない。喉がカラカラに乾いていた。
それでも、口は勝手に動く。魂が、欲している。
「あいつと、……一緒に居たいっ!………流以外なんて考えられない―――!!!」
泣きながら、名も素性も知らぬ男に感情を吐露した。
自分がこんなに弱い存在だとも思っていなかったし、ましてや
流がそんな風に感じていた事を察する余裕も無かった。
それを気付かせてくれた男を見ると、慈母の様な笑みを称えて、
「…心が定まったのなら、あとは腹を括るだけよ。」
優しく背中を押してくれた。
今日、帰ったらきちんと話をしよう。全部を隠さず、打ち明けよう。
家に帰る足取りが、別人の様に軽くなった―――――……。
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