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会いたい8にしおりをはさみました!
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会いたい8
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温かい感触。
本物………?
「お前、何やってんだよ!インフル治ったばっかだろ!本当にバカ」
怒鳴るとかじゃない、ごめんの意味がこもった言葉。
気付かなくてごめん。
側に居てやれなくてごめん。
そんな意味がこもった言葉。
照哉が目の前に居る。
夢かも知れないけれど、夢じゃないよね?
視界が歪んで、
「わっ、東雲、ちょ、泣くな」
照哉の慌てた顔。
手を伸ばして照哉を捕まえるように抱き付いた。
「照哉さん」
東雲はしがみついたまま、泣く。
何度も、照哉の名前を呼びながら。
「ごめん、泣くな。怒ったんじゃないよ」
宥めるような優しい声。
ああっ、照哉さんの声。
照哉さんの体温。
照哉さんの感触。
「照哉さんだ……」
「うん、そうだよ?」
耳元で聞こえる返事にまた泣きたくなる。
「照哉さん」
「うん?どうした?」
「照哉さん」
何度も何度も名前を呼ぶ。
その度に照哉は返事を返してくれる。
「東雲、顔見せろ」
ぎゅっと抱き付いたままの東雲にそう言うと、
東雲はようやく照哉と顔を合わせた。
泣いて子供みたいな可愛い東雲の顔に手で触れると照哉は唇を重ねる。
東雲も照哉に両手を回してキスを受け入れた。
互いに絡め合う舌の感触と濡れた音。
互いにを求め合うように何度も何度もキスをする。
寂しかった時間を埋めるようなキス。
もっとキスしたい。
もっと照哉が欲しい。
唇が離れると、
「照哉さん、俺………照哉さんに恋人居ても構いません、二番目とかでもいい……だから、居なくならないで下さい」
東雲はまた泣き出す。
「えっ?恋人って?」
唐突な東雲の言葉に照哉はキョトン。
「帰って来ないのは恋人と居るからじゃないんですか?」
とんだ誤解だろ?何故、そうなる?
照哉は東雲に笑いかけると、
「俺が好きなのは東雲だけだよ。好きだってずっと言ってんのに、信じてなかったのかよ?」
言葉にした。
「だって………不安で」
東雲はまた泣き出す。
「あー、もう!すぐ泣くし」
照哉は嬉しそうな顔をする。
「何回も言ってやるよ、好きだ東雲」
照哉は東雲の耳元で優しい声で何度も言葉にする。
「すきっ、俺も好き」
東雲はぎゅっと照哉に抱き付く。
気持ちを確かめ合うってこんなに嬉しいなんて、
抱きしめられる温かい照哉の体温。
全てが嬉しくて愛しい。
キスを何度もして、思いを伝え合う。
何度目かのキスの途中、
「お取り込み中、悪りいな」
と会長の声。
硬直する東雲。
なんで?
なんで会長が?
「ち、邪魔してんじゃねー」
ムッとする照哉。
「ソイツはまず、飯と飲み物が先だ!いちゃつくのは後だ」
ああ、そうだ!と照哉は会長がお粥を作れと言ったのを思い出した。
「お前らがいちゃついてる間に作ったよ、おら、東雲に食わせろ」
会長はベッド用のサイドテーブルに持って来たお粥を置く。
もちろん、水分も取れるようにスポーツ飲料等も一緒だ。
「あああ、あの、会長がどうして?」
東雲は少し混乱していた。
「そりゃ俺の部屋だからな。お前、店でぶっ倒れたんだよ、何考えてんだ、ああ?」
ど迫力の会長に東雲はさらに硬直する。
「すすす、すみません!また、迷惑かけてしまって」
東雲は頭を下げようと照哉から離れようとするが、緊張からか目眩を起こし照哉の方に倒れ込む。
「東雲」
慌てて支える照哉。
「体調が戻ったらまとめて説教してやる。とりあえずは水分と食事だ!体重軽すぎるぞお前は!」
会長はそう言うと部屋を出て行った。
「東雲、先ずは水分から」
照哉は東雲を支えるようにベッドの端に座り、東雲の身体を寄りかからせた。
東雲は素直に出された物を飲む。
そういえば、久しぶりに何かを口にした感じがする。
落ち着いて周りを見れば会長の部屋。
そして、自分が着ている物はブカブカ過ぎる。
会長の部屋着かな?と東雲は思い、さらに身体を硬直させた。
やばい、めっちゃ迷惑かけまくりだよ。
泣きそう!
「東雲、ほら、お粥も」
照哉はお粥を小さな器に移し、レンゲで混ぜながらお粥を食べやすい温度まで冷やして東雲の口元へレンゲを持ってゆく。
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