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64(アイツ)
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彼女はアタシに近付いて
「千春の容態どう?」
と聞いてきた。
立ち話も何だからと 彼女は 病院から近い一人住まいの自宅に招いてくれた。
アタシが沢山の荷物を持っていたからかもしれない。
だが 声をかけてくれたことが嬉しかったし 尚も いくら近いからとはいえ 彼女の家に誘ってくれたことも とても嬉しかった。
アタシはスーツケースを引きずりながら彼女のあとをついて歩いていった。
どうやらコンビニに居て 交通事故だと野次馬が集まる中 道路に倒れた千春を見たらしい。そして現場検証の警官に 同居人であるアタシの実家の住所を教えたらしい。
「お前 アタシの住所よく知っていたね。」
「だって和美は昔から言ってたじゃん。俺んちは港北区〇〇町100番地!ってさ。
間違えようがない番地。ってさ。」
「そうだったっけ?」
「年賀状だって何回か送ったじゃん。
久し振りだね和美。すっかり女が板についたね。
それで
千春の容態は?」
「あ?
あぁ 今集中治療室に入ってる。
脚とか骨折してるけど そっちはたいしたことは無いっていうか まぁ。
頭打って意識が無いけど 頭の骨折はないから 怪我自体はあまり。
内臓はも何でも無いって。
これから精密検査するらしい」
「そうなんだ。」
それから 彼女と 話をして
千春と同居しているのは 勢いみたいなもので からだの関係は無いこと。
仕事のこと。
そして自分のからだの話をした。
更に
女に性別を変更をしたが
男に恋愛感情は全く無く むしろ女にしか 恋愛感情は持てないようであること。
だが どの女にも 気持ちが動かないこと。
等々 話して
彼女に メールのみの報告しかしなかったことを謝った。
彼女も うんうんと頷いてくれて
アタシは
心の中の 全てを 余すこと無く
話した。
苦しかったこと 辛かったこと
会社で歯をくいしばって 頑張ったこと
女に変わること
自身の性器への嫌悪
知らない勘違い男からの誘惑が嫌で嫌でたまらないこと
そして
今でも
変わらず彼女が好きで好きでたまらないこと
泣きながら話して
アタシは
泣き疲れて
いつの間にか
ぐっすり
寝てしまっていた。
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