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87(千春)にしおりをはさみました!
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87(千春)
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もう何回になるのかな？
校長と飲むことになって。
俺のシフトに合わせて誘ってくれている。
何か悪いなぁ。
俺が休みになる前の夜に 飲もうと言ってくれる。
校長だって毎日飲みたいんじゃないかな？
でも 何か
先生だからかな？
優しいんだけど 落ち込むような感じになると 手を握ってくる。
大丈夫だよ 自信を持って。
って言いながら 励ますように 俺の手が 握られる。
すごく元気づけられて 前向きな気持ちになるけど 何だか
さりげなく 背中をポンポンって 叩いてくれるのも 心強い 気持ちになるけど
なんだか
嫌だなぁ って
思っちまう。
親切で優しくてあたたかい言葉だらけなんだけど。
早い話
さわられたくねぇ。
この間までは
俺が 相談みたいに 話を聞いてもらったから 慰めてくれようとしてるんだと思うが。
早い話
ちょっと気持ち悪りぃ。
千春君が
その好きな人と 距離をおいているのは その人のこと好きじゃないんだよ。
と 校長は言った。
そーかな？
色々考えて迷惑かけて困らせたくないんだよ。
千春君が
その好きな人に会わなくても平気なら
別れちゃった方が良いんじゃないの？
と校長は言った。
そーかな？
俺はその人に全部寄りかかりたくないんだよ。
千春君がその人に振り回されて支えるのが嫌なんじゃないかな？
と校長は言った。
そーかな？
支えようとは思わないけどその人に負担をさせたくないんだよな。
その人 我が強すぎて男まさりで千春君が尻に敷かれちゃうんじゃない？
と校長は言った。
そーかな？
俺は尻に敷かれるの大歓迎なんだよな。むしろ全部言いなりになりたい。でもそれじゃあダメだと思って こうしてバイトに飛び込んだんだよな。
否定するには 俺は口がうまくないから 何て言ったら良いかわからない。
本当は真弓さんのすごいところを言いたいけど どういう言葉を使えば良いのかわからない。
本当は真弓さんがどうしようもなく好きで あがいている。そんな女々しいうじうじした 気持ちを どんな風に言えば良いかわからない。
良い年して こんな気持ちになっているのは 変かな？
校長は
そんな気の強い人 やめちゃえば？
って言う。
気 強くないよ。
あんな優しい人居ないよ。
校長と別れて本館に向かう。
本館フロントの ATM の隣に公衆電話のブースがある。
そっとスマホを見ながら真弓さんの自宅の固定電話にかける。
もうスマホを見なくたって覚えちまった電話番号、
留守電。
以前は機械的な応答だったけど
今は真弓さんの声。
落ち着いた声。
真弓さん。
真弓さん。
会いてぇよ。
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