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93(真弓と千春)にしおりをはさみました!
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93(真弓と千春)
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真弓は 恋しい人のからだを抱き締め くちづけをした。
からだじゅう 舐めて舐めて ふやけるまで 舐めても足らないと思った。
すべて隅々まで 可愛がりたい。
千春は相変わらず キスが下手で 真弓からの舌に かろうじて自分の舌を差し出すだけで手いっぱいのようで それも可愛らしくて いとおしい。
「千春。千春。」
それしか言葉を知らないが如く 真弓は抱き締めて 抱き締めて この腕の中のいとしいからだを確かめるように 抱いた。
話をする間すら もったいない。
そのからだがどこかにいかないように。
このいとしい者を抱こうとする我が腕が空をさ迷わないように。
二度と離れていかないように。
そこは このホテルのコッテージ。
チェックインを済ませて ポーターを断りフロント脇の荷物を取りに行き コッテージの位置をフロント横の イラストを眺めていたときだった。
すぐそばで いとしい千春の声を 聞いた。
壁の向こうの簡素な木の椅子に座った 千春。見間違いではない。
かがみこむように 公衆電話に とつとつと 話しかけるその姿。
千春 と 呼び掛けようとすると留守電のメッセージを 話しかけている千春。
ここが公共の場で無ければ そのまま押し倒してしまいそうだった。
千春の手から受話器を取り上げ スマホを代わりに持たせて 荷物を持ち片手で千春を立たせた。
フロントを出て コッテージに向かうカートに黙って千春を押し込むようにして そのまま黙っていた。
カートの運転をする人が知っている者では無かったことに千春は安堵しておとなしく固い座席に座っていた。
真弓は黙って暗い道の前方を見つめていた。
荷物を降ろすのを黙って見て カートの姿が見えなくなると 真弓は再び千春の手を強く握り怒ったようにコッテージの鍵を開けて 灯りをつけ エアコンのスイッチをONにすると いきなり千春を抱き締めて 唇を塞いだのだった。
長いくちづけをした。
くちづけしても しても 足りなくて 抱き寄せても 抱き寄せても 足りなくて
応えてくれる 千春を 離したくなかった。
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