アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
5にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
5
-
小さくて、脆そうだったあの時とは違う
色白と黒髪なのに変わりはないけど一年前より遥かに大きくなってる気がする
身長じゃなくて雰囲気が
「ちょっと、そんな見ないで」
と、華夜くんは整えているのか形の綺麗な眉を顰めた
「あっ、ごめ、」
「別に良いけど…廉が見たいならいくらでも…」
その返事に嫌悪が無かったのに安堵する
美顔が至近距離にあったせいで思わずガン見しているのに気づいてなかった…
「で、他に分からないとこは」
「あっ、いや、ちょっと待って時間が」
急に時間の事を思い出し腕時計を見ると6時
そろそろ学校をでないと電車に間に合わない
「ごめん、俺、電車の時間が…」
立ち上がってバタバタとノートや筆記用具やらを鞄に入れ始める俺を、じっと何か考えるように見つめる華夜くん
「帰る?」
「うん、また」
「じゃあ俺も帰る」
『また勉強教えてくれると嬉しい』と言おうとしたけど華夜くんのはっきりした声に遮られた
「え、」
「廉は俺と帰るのや?」
真顔で聞いてくる華夜くん
(『や?』ってなに可愛い。普通聞かないだろ。)
(全然嫌では無いけど何か緊張する。)
(平凡代表の俺が学校イチ美人の隣歩くとかやば)
(あれ、こういう時ってなんて言うんだっけ)
色々俺がびっくりしすぎて固まっている間に、自分の席から鞄を持ってきて再度尋ねてきた
「いや、嫌とかじゃ、」
「ふふ、なら決まりな、早く行こ」
さっきの真顔とはうってかわってふわふわ笑う華夜くん
そんな華夜くんに早歩きで腕を引っ張られながら図書室を出る
「廉、スマホ」
「あ、あるよ」
校門を出るなりスマホをポケットから取り出してなにかに急いでいる華夜くん
つられて俺も急いでブレザーのポケットからそれを取り出すと『ちょっと貸して』と華夜くんからは想像出来ない荒々しさでスマホを奪われた
「ねぇロック解除できないんだけど」
と不機嫌そうに唸る華夜くん
ちょっと天然入ってる?てかそれ俺のだから。
他人にスマホを奪われるのは初めてだけど華夜くんなら変な事はし無さそうだし……と思い指紋認証を解除する
「ありがと」
「う…ん」
なんか複雑
それから数十秒無言で二台のスマホを操作した華夜くんは満足そうな顔で俺のスマホを返してくれた
「友達追加と電話番号、登録したから」
「えっ!」
弾かれるように自分の手の中にある液晶画面を見れば
見慣れたトークアプリのアイコンが目に入る
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 21