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第5章にしおりをはさみました!
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第5章
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やはり間違いだった。
あの男を入れたのは間違いだった。
七瀬は鬼の形相で、学校の廊下を全速力で走っていた。
廊下ですれ違った人は、「あれ?今のって委員長?委員長と瓜二つの強面のヤンキーだよね?」
と、声を潜めて互いに聞きあっていた。
そんなの御構い無しに、委員長は廊下を走り続ける。やがて階段が見えて来ると、
うさぎのように、ピョピョピョピョーンと、駆け上がり、屋上のドアをぶち開けて、あの男の顔を探した。
屋上にたむろしていたヤンキー達でさえ、「何事か」と呆然としたまま、七瀬のまとう黒いオーラに圧倒されながら、その動静を見守っている
ーーーちくしょう、いねえ!あの野郎!!
心の中で散々毒づきながら、くるりと踵を返し、そのまま来た時と同じだけの速さで階段わ駆け降りてゆく。
ーーー許さねえ、許さねえ!あいつ、絶対!!
…こんなこと!!
廊下を降り、外へ出ようとしていた所で、息を切らした只倉が七瀬によろよろ追いつく。
「な、ななせ!悪かったよ、からかって…っ、
ただちょっと今までになかった"モノ"だから、
興奮しちゃって…、許してくれよ〜…っ」
「うるさい!」
縋り付くように言いよる只倉の言葉をピシャリと叩き捨てる。
ーーーおまえじゃないんだ。
あいつの方なんだよ、極悪の権化は!!
下駄箱から靴をひっ掴み、落とした瞬間に履いたローファーで、七瀬は裏庭へ向かってロケットの如く発射した。
後ろの方で、只倉が、ななせぇ、と弱々しく呼んでいる。
七瀬はそのまま、裏庭へと向かい、
ついに目当ての男を見つけた。
男は自販機のそばで壁にもたれ、もう一人と談笑していたが、七瀬に気づいておどけたような、
わざとらしく驚いたような顔を向けた。
よお、なんて言っている。
ちゃっかり口元には笑みが浮かんでる。
七瀬は立ち止まり、ゼェハァと息を吐いてその男を睨んだ。
そして息も整った所で、ツカツカと迫り、
自分の肩を押さえながら、
男の胸ぐらをガッと掴んだ。
「みふねっ!!お前…っなんだこれは!!!」
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