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Epiloque~ルイの願いは僕がにしおりをはさみました!
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Vivre dans la révolution~革命に生きて
Epiloque~ルイの願いは僕が
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翌年にかけて、ジャコバン党への一人残らない粛清が行われたため、一向にパリは落ち着かない。
落ち着いたのは、1796年に差し掛かる前だった・・・。
*************
1799年・・・バスティーユ襲撃の10年後のこと。
カトリックオラトリオ修道会付属学校・・・
「・・・イギリスに牛耳られていた14世紀。当時、フランスは崩壊寸前に至っていました。そのとき、女救世主が現れました。彼女の名前はジャンヌ・ダルク。ジャンヌは、命を駆けて、フランスを立て直そうと、精一杯、努力をしました。その後、シャルル7世は、ジャンヌの死を無駄にしないよう、今のフランスをしっかりと立て直そうとしていたんです」
「700年も続いたフランス王国は崩壊、7年前に王政が廃止になりました。6年前に、国王陛下ルイ16世、10か月後に王妃様が刑死。陛下の最後の言葉は、わたしの血がフランスの礎になることを願うばかりだ、とのこと。ともに、罪人ではなく、誇り高い喜びに満ちた最期を迎えました。
国王陛下は、国王としての最後の務めを果たす、と話していました。王妃様に至っては、わたくしは、国王陛下のところに行くように、という判決、と・・・。ジャン=ミシェルさんやマリー=エリザベートさんも同じ判決を受けていました」
ディディエは、さらに続けた。
「国王陛下がランス大聖堂で即位しパリへの帰還の際、ロベスピエールさんは、膝まづいて、敬意を。かれは、物心ついたころには、長男としての自覚が芽生えていました。本当に純粋で清廉潔白、僕の良き相談相手でもありました。国王様が処刑され、ロベスピエールさんたちジャコバン党がフランスを立て直すなど、あれこれ、と政策を探っていました。どれも、犠牲が伴うものでした。
5年前、かれらも、処刑されました。
いま、僕たちができることは、明るい、フランスを作り上げることです。衣食住、貧富の差もない・・・それ以上の幸せを求める権利・・・それは・・・あるひととの約束です・・・」
ディディエの目には涙が光っていた・・・。
クラヴァットには、ルイの形見であるピアスが光っていた。
『俺と思って持っていてくれ』
1799年の秋・・・
ディディエは一人でブレランクールへと向かった。
そして、その丘に腰を下ろした。
幼いとき、ルイたちが無邪気に遊びほうけていた場所であった。
本当のルイは純粋に小説を書いたり、教師をやって幸せな日々を送りたかったに違いない。
失恋、時代の波がルイを容赦なく翻弄。
ルイーズとの失恋、それを忘れるためにアンリエットと婚約するも幸せではなかった。
「・・・故郷に帰りたい・・・」
ルイの純粋すぎる願いだった。
ディディエは決心した。
それなら、僕がルイの願いをかなえてあげよう・・・
「ルイ・・・」
ディディエはルイの遺髪を飛ばしていった・・・
「・・・ルイ・・・ブレランクールに到着したよ・・・」
ルイの綺麗な髪の毛はブレランクールへと舞い踊った。
そして、きらきらと輝いていった・・・
「・・・僕は・・・君と初めて出会った場所で教師をやっているんだ・・・ルイ・・・見守っていてね・・・君は僕の心の中にずっと・・・」
『・・・ディディエの心の中に・・・俺はずっと・・・生きている・・・』
ディディエは空を見上げていた。秋の空を・・・
そして、ディディエはパリへと戻っていく。
翌日からは、ディディエは何事もなかったかのように。淡々と教諭職を務めていった。
そして、生徒たちにこう告げる。
「衣食住、誰もが平等に求める権利。平和で幸せに暮らせるフランスを一緒に作り上げていきましょう!」
「Oui,Monsieur!!」
カトリックオラトリオ修道会付属学校の生徒たちは元気よく返事をした。
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