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4にしおりをはさみました!
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4
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「……」
何処か、似ている……
もっと表情豊かに笑い、温かく柔らかい雰囲気ではあったが
どことなく、かつての恋人に……
凛を目の前にし、真翔の胸がドクドクと高鳴ってゆく
震える指先……
そっと親指を退け、三日月程に薄く瞼を閉じ唇を寄せる
冷たい……
熱を持つ真翔の唇が触れると、冷えた凛の唇は火傷をしたかの様にビクッと反応し少しだけ引く
しかし直ぐに無反応に切り替わり、睫毛を少し下げ魅惑的な唇を少し割ると、再びキスを待ち構えた
「………」
真翔は再びそっと唇を押し当てる
柔らかい……想像以上に気持ちいい感触に、真翔は更に深い所へと求めてしまう
唇の隙間から舌先を差し込めば、それをすんなりと受け入れてくれる
ねっとりと絡む粘膜と粘膜
くちゅ、と小さく淫らな水音が、空に響く花火の音を遠ざける
……はぁ、…はぁ、
少し離れてはまた絡め
熱い息が交わる
まるであの日をやり直したかの様に、真翔の心が次第に満たされていく……
真翔の左手が凛の後頭部を包み
強く引き寄せると
より深く凛の腔内を舌で愛撫する
もう後悔など、しない様に……
深く、深く……
「…だめ」
凛の小さく細い声に、真翔がハッと我に返る
「……綺麗な体のまま、逝きたいから」
気付けば、凛のカッターシャツのボタンに真翔の右手が掛かっていた
完全に錯覚を起こしていた……真翔は慌てて手を離す
「この体は、大人の欲に塗れてしまって……もう、綺麗なんかじゃないけど……」
淡々と、しかし少しだけ憂いを帯びた凛の声に、真翔は直ぐに言葉が出てこない
大人の欲……?思春期の性に対する欲望の芽生えの事か……?
「………ごめん
…似ていたんだ……」
「……」
「君が、その…恋人に……」
そう答える真翔に、凛の瞳が反応する
相変わらずの無表情ながら、その瞳の奥に、微かに感情が現れ揺れ動いたのを感じた
それを隠すかのように、凛は視線をずらし、花火を見上げる
「……死ぬ時、苦しいかな」
凛の吐いた台詞に、急に子供らしさを感じた真翔は、口角を少しだけ上げ緩く息を吐く
「どんな方法でも、きっと苦しいよ」
その言葉に、凛は真翔に真っ直ぐ視線を合わせた
「……少しでも、楽に死にたい」
そう言った凛の瞳が揺れる
死を直前にして見せた、凛の感情
……怖い
当たり前だ
誰だって死ぬのは怖い
怖いのは、何もその直前だけではない
苦痛の先にもしも…
もしもその未来が存在してしまったら……その絶望に苦しむ光景を想像してしまうから
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