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唐突なる追いかけっこにしおりをはさみました!
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唐突なる追いかけっこ
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「ッはぁ・・・ハァ・・・ッ」
走りながら角を曲がる。
今は亡き廃工場(まあ存命時代も知らないが)の中を駆け抜ける俺。
未だかつてこんな全力ダッシュはしたことがない気がする。
そんな俺にふと蘇る、俺のせいで負けた小学校の運動会紅白リレー。
紅組のみんな、ごめん、あの時は。タッ君泣いてたな。
「っと、キッツ・・・!!」
そんな幼き日の思い出、否、思ひ出に浸る余裕もなく、後ろから怒号が飛んでくる。
「チョコマカチョコマカ逃げやがってこのクソガキが!!!」
「どこ行きやがった!!!」
「見つけて絞り出せ。ボコんのはその後だ!」
ひどい発言の数々である。
しかしながら俺も捕まるわけにはいかない。
物陰に隠れてやりすごし、足音が近付くと脱兎が如き逃走術を披露するを繰り返した。
―そして。
「・・・見つけたぞ、いい加減観念し「ぜっぇええええ、はぁああああああ・・・ぜェ、エッ、ゲッホゴッホぅええっ」・・・」
見つかってしまった。
フェンス伝いに走っていたら、追い詰められた。
「は・・・やるじゃねえか・・・この、俺を・・・ぜぇ・・・追い詰めるなんてな・・・ぅえ」
「お前が勝手に追い詰められたんだけどな」
ニヒルな感じ(厨二ともいう)にほくそ笑んでみたが、この敵には通用しないらしい。
なんてこった、世も末だぜ。
「まあ、なんでもいいわ。いいから金出せ」
相手は気怠そうに言った。
一応相手は一人だけど、タッパあるし、ガタイもいいし、強そうだ。
「ッだから!!知らねえって!!!」
俺、児谷 悠介(こたに ゆうすけ)。
「知らねえで済んだら極道はいらねえんだよ」
身に憶えのない借金で追われています。
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