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18歳以上ですか?
3−2にしおりをはさみました!
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3−2
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朝が来た。
なんの変哲のない、いつもの朝だった。
目覚まし時計がなくても体は自然と目を覚ます。僕はだるい身体を起こし洗面所へ向かう途中、
「兄貴?顔ゾンビだよ?めっちゃ汚い」
「え・・・・?」
妹の凛久(リク)がすれ違いざまに言ってきた。僕は洗面所の鏡を見て納得する。
(・・・・目が晴れてるだけじゃないか)
ゾンビだなんてあまりにも酷い。
昨日泣きすぎて瞼を冷まさないうちに眠ってしまったからこうなったに過ぎない。
長い前髪で目を隠せば、なんてことない。いつもの僕の完成だ。朝ご飯を食べる気になれなくて家を出ようとした瞬間、先に出たはずの妹が興奮して戻ってきていたのだ。
「何?どうしたの?」
「兄貴ヤバイ!!表にイケメンが居た!!すっごい心臓バクバク!!」
まさかとは思った僕はのぞき穴から外を確認してみた。
「え・・・・なんで?」
谷中君が立っているのだ。
昨日のことがあったからてっきり今日もこれからも居ないものだと思っていた。
嬉しい気持ちもありながらも僕は気まずくて、とても朝から顔を合わす気にはなれなかった。
「凛久・・・・僕はいないっていって。裏口から出る・・・・」
「は?なんで?てか兄貴の友達?つりあわね~」
「・・・・お願い」
そんなの僕が一番分かっているのに、改めて人から言われるとダメージが大きいものだった。
目に涙が滲む。
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