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3−11にしおりをはさみました!
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3−11
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「・・・・ん」
いつの間にか眠ってしまっていた僕。
学校をさぼり、ベッドの上で目をこすりながら目を覚ます。丁度陽がさしてポカポカと温かい。こんな時は寝るに限るのだ。
そして隣で眠る谷中君の姿と思いきや目が合った。
寝ころんだまま携帯を握りしめニヤニヤしている。
「ま、・・・・撮った、の?」
今日一番の笑顔で頷き幸せそうにする谷中君。
猫耳を付けていない僕を撮ってもあまり意味はないと思うけど、あとで加工でもするのだろうか。
「見る?」
と聞かれたが自分の寝顔を見たいとは思えず、丁重にお断りした。
まだ眠い目をこすっていると谷中君は僕の頬に軽めのキスを落とす。
「んひっ!?」
「なれないね~、ま回数重ねれば郁も慣れてくるし気持ちよくもなるから。今度は俺の家に来て猫耳つけてよ、ね?」
無邪気に笑う谷中君。
怒った時は怖かったけど、今は子供のようだ。不覚にも可愛いと思ってしまう。
僕は苦笑いしながら「分かった」と言ってしまう。
この関係が僕が望んだ『友達』なのかは分からないけど、少なくとも僕は谷中君のことを友人だと思っている。
深い友人にもなればきっと挨拶でキスもしてしまうのだろう。
「あ、言い忘れてた。言いかけてたこと郁が遮ったから今言うよ。確かに元カノとか和泉にも猫耳はつけてもらったことあるけど、首輪と尻尾をお願いしたのは郁が初めてだから。あとキスとかもね」
「へ?そ、なの?」
「当たり前じゃん、郁だからお願い出来たしキスもした。ほんと、可愛いって罪だよね・・・・」
携帯に収めている写真を見ながら悦に浸る谷中君。
「ふ、ふ~ん・・・・」
嬉しいやら恥ずかしいやらで僕は変な汗をかく。
となると僕たちの関係はますますおかしいものとなってしまう。
だけどそのことを谷中君に聞けるはずもなく、誰に聞いてみるかと考えた。流石に妹の凛久に聞くわけにはいかないし、クラスの人たち・・・・と考えても谷中君以外と話したこともない。
携帯で調べようにも僕が壁に投げつけてしまい破壊した。そこで頭に浮かんだのは一人の女子生徒。
・・・・九重さんに聞いてみようか。
この判断が正しくなかったが人との関りを忘れた僕にはわからないことで確実に判断基準がくるっていた。
この後、僕はひどく後悔し自分自身を嫌悪せざる得なくなったのだ。
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