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□良介sideにしおりをはさみました!
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□良介side
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初めて入る購買部の奥の部屋は十二畳ほどあり畳張りになっていて小さなキッチンが備え付けてあって。
窓際に置かれた座卓には拓真愛用のノートパソコンが置かれていて壁には奴の上着がかけられてる。
そして部屋の真ん中辺りには昔懐かしい木製の円卓があり今はそれを俺達が囲んで座っている。
「っつー事で今日から俺がこの購買部のオニイサンになりました。」
そんな風な簡単な説明が終わると正面に座る拓真が口の端を上げて笑い指先を俺に向けてきた。
「んで?その情けないザマはなんだ。」
「……悪かったな。」
ギッと睨み付けても動じず拓真はニヤニヤしながら久遠に手渡されたコーヒーを口にする。
「拓真…笑えないくらい凄かったんだよ。」
俺の緑茶をいれてくれている久遠の隣りで芹沢が興奮気味に身を乗り出して。
「そうなんです!鼻血がドバドバ出て!もう、ホントにダメかと思いました!」
…鼻血で死ぬのか?
そんな死に方は嫌だな。
アメリカ仕込みの芹沢のジェスチャーに拓真がゲラゲラと笑っている。
その姿を見ながら俺は…
拓真って、こんな笑い方をするんだな、なんてついガン見してしまった。
「…どうせボサッとしてたんだろ。」
拓真の言葉に二人は苦笑い。
そういう俺自身も…まさか兄貴の“恋人”に見とれていました、なんて言えるはずもなくやはり同じように苦笑いをするしかなかった。
「そんなことより…あの売り場は…平気なのか?」
話題を変え、開けっ放しのドアの向こうを指さす。
「あぁ…もう理事長と話は付いてるから問題ない。」
理事長?
見た事ないけど…そんな人があのエログッズだらけの売り場を了承したのか?
大丈夫なのかこの学校は。
「しかしさすが男子校だな?今んトコ一番売れてんの潤滑ジェルだぜ?」
ククッと笑って拓真が煙草を咥える。
「…お前が一人で買ってるんじゃないのか?」
拓真に軽いジャブを繰り出す。
…が、奴は余裕な表情で口の端を上げて笑って。
「俺は上手いからそんなの要らねぇよ。なぁ、智?」
言うなり隣りに座る久遠を引き寄せて…人目もはばからずその頬にキスをした。
「ちょ!も…バカ。」
見たことないくらいに真っ赤になった久遠は照れ隠しでかグラスに入ったウーロン茶を一気に飲み干す。
俺は…ジャブを入れたはずなのに軽く躱され逆にカウンターをくらったような気がした。
「潤滑ジェルってなんですか?」
すると突然。
隣に座ってる芹沢がそんなことを言い出し俺達は一斉にその顔を見る。
興味津々なキラキラな瞳に苦笑いを向けた拓真がチラと俺をみてから。
「野郎同士のセックスには欠かせない物だ。」
そう言ってまた口の端を上げた。
芹沢は…そのセリフにふんふんと頷き…。
「じゃあ俺にも一本下さい!」
…と眩しいくらいの笑顔で言った。
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