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失敗①にしおりをはさみました!
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失敗①
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最悪だ。失敗した。
夏樹の腕の中の湊は、もう充分に大人しくなっているが、夏樹は今度は別の理由で、湊を腕から出すことができなくなった。
最悪だ。…やられた。
亨さんは、これを待っていたんだ。
亨さんが楽しそうに湊を見ていたのは、こういうことだ。
湊がこうなるのを、待っていたんだ。
俺じゃない。湊を懲罰室に連れていくために。
「夏樹、お前はコウタくんを頼む。ここのルールは分かっているな?」
「…はい。」
間違いない。亨さんは、こうなることを分かっていたんだ。
この瞬間を待っていたに違いない。
「湊は、私が引き受けるよ。」
亨さんの声は静かだが、艶がある。
欲情した雄の声だ。
抑えた態度の裏で、獲物に牙を深く食い込ませる瞬間を待ちきれない高ぶる気持ちが、声の表情に表れている。
間違いない。
亨さんは、喜んでいる。
湊をこの人に渡して、大丈夫なのか?
でも、亨さんに逆らうことはできない。
ここでは、序列は絶対だ。
失敗した。
湊はボロボロにされる。
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