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18歳以上ですか?
◆ 違和感にしおりをはさみました!
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◆ 違和感
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「ん、んーー」
目が覚めると腕の中で丸まって寝ていたはずの
リクの姿がなかった。……あ、手伝いか?
俺としてはまだまだ体なんて動かさないで今の環境になれる事に専念してほしい所だが。
あんな必死そうな目を向けられちゃ敵わないよなぁ
なんて事を考えながら昨日と同じように厨房へ向かう。俺が顔を出したことに何人かの使用人が困惑していたが、まぁ大丈夫だろう。
「リク、今日もしてるの?」
「あ、ヒムルさんおはようございます
はい、えっと手伝わせてもらってます。」
俺の声に反応してこちらを振り向くリクは可愛らしい。他の使用人達は昨日のように動じたりせず、作業を行っていた。
「セレンさん、これはここでいいのでしょうか。」
「えっと……うん、大丈夫だよ。」
やはりリクはこっちの方がやりやすいらしい、
前回よりも明るく………………え。ちょっと、歩き方……
「リク、ちょっとおいで」
「え?でもあと少しで……」
「いいからおいで。
セレン、リクの作業を変わってください。」
「は、え?ヒムルさ「はい、わかりました。」
セレンはリクから盛り付けの材料を受け取り、ニコリと笑いかけていた。それに押されてか リクは渋々と言った感じで俺の方へ来た。
「な、なんでしょうか。」
怯えたような目、
手を後ろに回しピクリとも動かないで、
目だけ俺の方に向けている。
胸が痛い。
君を傷つける者なんてもういないのに。
その足首だって痛いなら「痛い」と声をあげてほしい
助けを求めてほしい、
自分を押さえつけないでほしい。
「足首、痛いんでしょう。」
俺の一言でギクリと体を揺らしたリクは「ぁ……」と声を出しただけだったが、その表情は(しまった…)と言っているも同然だった。
「リク?」
「ぼ、僕…その……」
額から汗を流しながらハクハクと必死に口を動かしていた。胸が張り裂けそうだった。
なぜそんなにも怯えるのか……
何をされたのか……
詳しくは聞かなかったが、
きっとリクが説明してくれたものは
ごく、一部に過ぎないんだろう…。
俺はリクを優しく抱き上げて自室へ向かった。
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