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ロミオとジュリエット 14にしおりをはさみました!
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ロミオとジュリエット 14
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監督をする上で、悩む問題が1つある。
試合前のＳＥＸをどうするか。
そんなもの、個人の自由と言うのは、サッカーには通用しない。
一流の選手ともなれば、全ては大事な試合で最高のパフォーマンスを発揮せねばならない。
トレーニングだけではなく、選手のフィジカル（身体）を支えるのは、栄養、健康、精神、性である。
Ｗ杯やその他国対抗試合、各国の1部(1軍）チーム同士の試合の前に、配偶者や恋人の面会を認めるかどうかだ。
面会と言えば聞こえがいいが、要はＳＥＸ許可か禁止か。
何日前までのＳＥＸが影響するか？ 何日前までが疲労でパフォーマンス低下するのか、もしくはしないのか？
選手から得たアンケート統計をもとに、サッカーの専門家たちが集まって真剣に議論している。
監督、副監督、コーチ、心理学者、医師、サッカークラブ担当者が内訳である。 性の問題を、客観的に、まるで何を食べたら体に良くて、何を食べたら悪いのかみたいな思考で分析している。 最終判断は、監督、この私だ。
監督によっては全面解禁もあれば、全面禁止の監督もいる。
選手もそれぞれで、試合前のＳＥＸなんて体力消耗してしょうがないから、解禁されてもやらないと言う者もいる。
1日1回なんて言う奴もいる。
私の考えとしては、直前はやはりだめだ。
注意力散漫になり、闘争心低下を招く。
だが、あくまで個人差があるのが難しい。
心理学的に見ても、ＳＥＸがパフォーマンスを向上させると言うのは疑問だと思う。
どうしても勝ちたい！という気持ちが勝たせるのである。
その気持ちを選手皆が持って、パスやドリブルなど技と身体能力でつないでいく。
得点するまでの連係プレーが重要だ。
個人技も大事だが、調和がものを言うスポーツなのである。
チームへの絶対的なロイヤリティ（忠誠心）が必要だ。
性行為と言うのは、その相手と自分の個人的なつながりだろう。
性行為でサッカーのモチベーションを維持できるとは、私は考えていない。
個人差があっても、チームとしては統一した答えが必要だ。
ヨーロッパ各国の、有名サッカーチーム対抗の試合が現在行われている。
予選が終われば、勝ち抜き戦で行われる決勝トーナメントが待っている。
より重要な試合に突入すると言うことだ。
ブラオミュンヘン監督として、私も決断を下した。
決勝トーナメントで対戦するため、宿舎に入ったら当然性行為は禁止。
宿舎には女性も入れない。配偶者も恋人もとにかくダメ。世話してくれるスタッフも全員男性だ。
優勝するか、負けて敗退するかして、宿舎を出ない限り性行為は禁止だ。
でも、予選終了時には、いったん帰宅を許す。
決勝トーナメントのため、4日後、再び宿舎入りしたら禁欲してもらう。
勝手に抜け出た者には、1回1800万円の罰金を科す。
サッカーの世界では、どこのチームもルール破りには罰則が厳しい。
遅刻も、無断欠勤も同様の高額罰金制度がある。
うちのチームで、かつて試合直前無断外出し、恋人とカレー食った奴がいて、1800万円徴収した。
このカレーは高くついたな。
私の決定が厳しすぎると言う声も聞かれる。
だが、規則としてある以上は守ってもらう。
選手のみならず、その夫人や恋人からも不満が出ることもある。
必ずしも、彼女らは性的不満を言っているわけではない。
子供と父親を会わせ家族の時間を持ちたいと言うのが多かった。
小さな子供から、父親を引き離し、申し訳ないとは思っている。
残念ながら、私には、勝つことが課せられている。
再び、ブラオミュンヘンを2部に落とさないためにも。
今月13～16日まで、4日休みを与えたので、選手たちはそれぞれの待つ人の元へ帰って行った。
勝ち進めば最長3週間、私も選手と共に宿舎で暮らすことになる。
パリいる結に、そのことを電話で伝えた。
「えーっ、3週間も？！」
「会ってくれるかい？ 」
「うーん…。」
「公演で忙しいのは分かるが、何とか都合付けてくれないか。」
「どうしようかな～。」
「結に、逢いたい。パリまで逢いに行くよ。」」
結を気持ちの上で好きなのはもちろんだが、3週間も会えないならその前に、
男として結を抱きたい。
結だってきっと…。
「やっぱりやめとくわ。試合頑張って。」
「おい、結！？」
「13～16日でしょう？僕、その頃、今ちょっと気に入っている、オンラインゲームの解禁日なんだ。」
私は唖然とした。私はゲームに負けたのか。この私が…。
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