アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
次のステップ。
-
「ママ、俺のパートナー。可愛いだろ?もうコイツしか要らねーんだ。」
堂々と言い切った男性は、誇らしげに微笑んでいる。
紹介された青年は、恥ずかしそうに、でも嬉しそうに微笑んだ。
純粋に素敵だな、と思った。
自分の相手は男なのか女なのか分からないが、こんな風に言いたいと思ったのだ。
しかし、男性は30代後半だろうか。
相手の子はハタチになっていない気がする。
何故か男性に目が離せなくて、こそこそと盗み見た。
「LGBTに偏見のない料理人とフロアを仕切れるマネージャー候補を探してる。」
へぇ。
来年4月開店か。
目の前のナッツを奥歯で噛み砕いた。
来年4月はまだ大学4年生だ。
ほんの少し残念な気がした。
「んー、でもさぁ、山ぴーがどのレベルを求めているのか分かんないけど、マネージャー候補なら知ってるわよ。」
へぇ。
やっぱりこういう飲み屋のママは、人脈は広いんだ。
ビールをゆっくりと喉に流し込んだ。
「え、どんな人?」
「フッフッフ、自分が同性愛者かもって悩んでて、結婚式場でアルバイトしながらこれから就活を始める大学生!」
ええ!!?
ガタンッ!!
誰の事を言っているのかと慌てて立ち上がった。
「こちらのQちゃんでぇーす!」
「ちょちょちょちょちょっとッ!!」
そんなわけで、Qちゃんこと桑原は慌ててママを制止したのだった。
だいたいなんで、Qちゃんやねん!!
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
298 / 872