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苦悩の果て。
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参った。
くたりと横たわる桑原をみて頭を掻きむしった。
なんかフェロモンてやつ、でてんのかよ?
とりあえず落ち着こうとタバコを咥えてベランダに出た。
泣きはらした桑原を連れて帰った日曜日。
翌朝学校へと送り出して、仕事から帰ってきたらアパートの扉の前で送り出したはずの彼が待っていた。
「どうした?」
「・・・ひとりだと色々考えちゃって。」
手にはスーパーのビニール袋。
「よかったら、俺作るのでメシ食いませんか?」
誰かの手料理なんて、食堂か居酒屋でしかここ数年食っていない。
金を払ってしか得られないシロモノに、奏太はアパートの扉を開けることで歓迎の意向を示した。
普通に食っていたのだ。
作ってもらったメシを食って、冷蔵庫の発泡酒を飲みながらテレビをみて笑っていた。
居心地が良くて、背伸びをしてゴロンと横になって。
そしたら、桑原くんが笑いながら腹を攻撃してきて。
攻撃返ししたら・・・キスしちまった。
くすぐったくて身をよじる桑原くんを虐めたおして、床に押し付けたら、吸い寄せられた。
男の唇なのに気持ちが良くて、気がついたら舌を絡めて吸い上げてて。
手なんか女の子にするみたいに背中を弄って、乳を揉んでいた。
!!!
拳で胸を叩かれてハッと気がついた。
「・・・ゴメン。」
顔を真っ赤にして唇を濡らした桑原くんは、色気があった。
「・・・ううん。」
ぱたりと両手を力なくおろし、荒く息をつぐ彼を見ていたら続きをしちまいそうで、慌ててタバコを咥えてベランダへ出た。
やっちまった。
酒のせいと言えるほど飲んではいない。
ただ、可愛いと思ったのだ。
女日照りが長いせいだ。
発散しないとヤバイことになりそうだった。
「・・・奏太さん、俺、帰るね。」
「いや、まて。」
このまま帰したら、失恋のショックの上に、俺の事でコイツ死んじまうかもしれん。
「もうしないから、今日は泊まっていけ。」
おずおずと室内から見つめられて、ズキンと下半身が疼いた。
やっべ。
小動物じゃん。
「・・・ゴメン、お前が魅力的に見えて襲った。けど、もうしない。」
「ほんとう?」
ぶんぶんと頭を振り下ろした。
「じゃ、忘れる。」
「おー。ノーカウントにしてくれ。気持ち悪いことして、ゴメンな?」
ふるふると頭を振る桑原くんが可愛く見えるのは、たぶん気のせいだ。
「風呂入って寝るか。」
「うっす。」
そんなこんなで火曜の朝。
俺はまた苦悩することになる。
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