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急き立てる。 後日談。
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帰ってきた光太郎は、笑顔だった。
両手を広げると、胸の中に走りこんできた。
「・・・俺、また帰る。」
可愛い感想に、笑みがこぼれた。
「良かったな!」
頭をぐちゃぐちゃに撫で回すと、泣き笑いの表情を浮かべて口を尖らせた。
「もう!・・・大好き!!」
ブハッ!なんだその返事は。
光太郎はびっくり箱のようだ。
想像できない動きや発言が、新鮮で驚かされる。
そして、そんな光太郎が愛おしくてたまらなかった。
「お守り、ありがとう。」
「ん。」
時計を返してもらった。
この時計は、自分の店を持った時に記念に買った時計だった。経営に悩みながら、苦楽を共に歩んできた時計は、思い入れのあるとても大切な時計だ。
「光太郎に、プレゼントするよ。」
もう一度、光太郎の手首に時計を巻いた。
「光太郎は、これからの俺の人生そのものだから。」
俺の側に常にあった時計は、これから共に歩む光太郎に捧げたい。
涙の浮かんだその顔を両手で包み込んだ。
「結婚しような。」
「・・・はい。」
光太郎が自分に向き合い、一歩進んだ日の夜。
俺たちは誓いのキスを交わしたのだった。
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