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伝えるにしおりをはさみました!
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伝える
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あのまま萩野先輩を待つこと数分、僕がベンチで震えていると、温室の入り口からジャリっと砂を踏む音が聞こえてきました。
僕「…………っ、」
………き、来た……、
僕が恐る恐るそちらの方を向くと、予想通り萩野先輩がいました。
萩野「ごめんね、待たせちゃって……………………春…?」
和かに笑いながら歩いてくると、僕の普段と違う様子に気づいたのか萩野先輩は眉をひそめました。
萩野「…………ねぇ、どうして泣きそうなの……誰かに何かされた………?」
僕は萩野先輩を見た時から頭が真っ白になって、萩野先輩が今何を言っているのかもわかりません。
………つ、伝えなきゃ………とにかく言わなきゃ…
僕の頭の中はそればっかりで、僕はフラフラと萩野先輩に近づきながら口を開きました。
僕「…………………………き、…、すき、好きなんです…………っ、僕…っ、萩野先輩のことが好きなんです…………っ」
僕は萩野先輩の前で顔を真っ赤にしながらなんとか言葉を紡ぎました。
………あぁ、お礼を言ってから伝えるつもりだったのに…………、結局、そのまま言っちゃった………
とりあえず伝えられたことに安心したのか、僕の目からは涙がボロボロ出てきてしまいます。
僕「………う……っ、ひっく…、ご、ごめんなさい……っ、ごめんなさいっ……」
僕は赤面しているのと涙を止めるため、自分の手で顔を覆いました。
すると、黙っていた萩野先輩が言葉を発しました。
萩野「ねぇ……春、それは先輩として……?それとも……」
僕「………ぅ……っ、ち、ちがいます……っ、は、萩野先輩に……っ、ふ……、恋愛感情を…っい、抱いてしまいました………っ」
僕がそう言うと、また沈黙が流れます。
僕「………ひっ…、ふ、ごめんなさ………っ、も、もう…っ、ひと思いに……ふってくださ………っ」
僕はその沈黙に耐えられず、次に来る言葉を促しました。
『好きな人がいるから』
………はやく……、言ってください……っ
そう思っていたのに、僕が気づいた時には、自分の体がぐらっと傾いていて、そのままポスっと萩野先輩の腕の中にいました。
僕「………………へ…っ」
萩野「…………はぁ………嘘じゃないよね………」
僕「………へ、……へ…っ!?」
僕は状況についていけず、とりあえずその腕の中から抜け出そうとしました。
萩野「…………なんで逃げようとするの。」
僕「………へ……っ!?」
僕は馬鹿みたいに同じ言葉しか言えません……
すると萩野先輩が俯いていた僕の顔を両手で包み、顔を上げさせました。
萩野「ねぇ、春。よく聞いて。」
僕「………ひ、は、はい」
…………わ………カッコいい……///
僕はその萩野先輩の真剣な表情にまでポーッと見惚れてしまいました。
ですが、次に聞こえてきた言葉は僕の思考を見事に停止させました。
萩野「俺も、春のことが好き」
…………………………………………………へ、
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