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看板娘にしおりをはさみました!
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看板娘
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「うし、じゃあ萩野は中よろしく。そんで、後輩ちゃんは受付に座ってようねー」
犀夜さんのクラスに着いた途端、呼びに来た男の人は犀夜さんの背中をぐいぐい押して教室に押し込めました。
そして僕は肩を掴まれ教室の前にある受付の椅子に座らせられました。
萩野「は、ちょ……、春1人にすんなって」
押されながらも犀夜さんは僕を離そうとしませんでした。
ですが「大丈夫!!俺らみんなで見てるから!」などと僕を赤子同然のような扱いをする男の人にしぶしぶ中に入って行きました。
……………そこは納得しないで欲しかったです犀夜さん……
教室はお化け屋敷をやっているため、周りは黒く装飾され、血でできた手跡も残されています。
ここにいるのもだいぶ怖いのですが、受付の人たちの雰囲気が真逆で和気藹々としているのでなんとか保てました。
ドアが開いた時チラッと見ましたが教室内は真っ暗で、あんな空間に犀夜さんが入ってしまったのかと思うと、だいぶ心細い気持ちになりました。
流石お化け屋敷は人気で列は常に絶えませんでした。
お客さんの受付は女の先輩方がやってくれているので僕は本当にただ隣に居るだけでした。
お客さんの「お前はなんなんだ」というような視線がビシビシ刺さります………。
ですが犀夜さんのクラスの先輩はいい人たちばかりで、こんな僕にも「お菓子いるー?」などと親しげに話しかけてくれました。
そのおかけで僕は受付の女の先輩と少し仲良くなりました。
僕「あ、あの…っ、ありがとうございます……」
僕はぺこりとお辞儀をしました。
「あらー、いいのよっ!可愛い大好きだからっ」
と、和かに言う先輩も凄く美人さんだと思います……。
「えー、萩野のお気に入りくんいんじゃん!」
「本当だー!」
などと廊下の向こうからどこかに行っていたこのクラスの先輩たちが戻ってきた様子です。
その時に珍しい僕の存在にワラワラと人が集まってきました。
僕「……わ……っ、お、お邪魔してます………」
…………ほ、本当になんで僕ここにいるんだろう…………
「ほらほら、お菓子あげるよ」
「私もどうぞ〜」
と、また手にいっぱいお菓子を乗せられました。
……………あれ……、これって、、餌付けされてる…………??
半ば諦めた目をしていると、入り口とは反対側のドアがガラッと音を立てて開きました。
僕「………………ひ……っ!!!……ふぇ……っ」
僕はその後ろを見た瞬間、今までの穏やかな感情が急降下し、涙が目に浮かんできてしまいました。
顔はドロドロにただれていて、白い服を見にまとった血だらけの男の人(お化け役の生徒)がこちらに歩いてくるのです。
「ちょ、お前っ!その格好で出てくんなって!」
「…え?なんで?交代じゃないのー?」
僕「……ふぇ……っ、やだ…、こわぃ……っ、せ、いやさん………っ、せいやさんどこぉ……」
その歩いてくる姿が本当に僕は怖くて、椅子の上で落ちそうになりながら体を丸め耳を塞いで現実から逃げようとしました。
「ちょ、やばいって!!殺される……!萩野呼んでこいっ」
僕のそんな姿にみんな顔を真っ青にしワタワタと動き出しました。
「え、君……っ、泣かないで!!」
ついにお化けさんもワタワタしだして、僕のせいで受付近くが軽いカオス状態になってしまいました。
「早くっ!萩野!!」
萩野「…………へーぇ、春泣かせてんだー……」
そうお化けさんの後ろからでできた犀夜さんの一言で、また空間の温度が3度くらい下がった気がしました。
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