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「なあ。その後どうなんだ?」
数学の授業が自習に変わり担当から託されたという小テストが終わった今、教室の中は“自習”という名の自由時間になっていた。
「どう?とは?」
ざわざわどころか大騒ぎの教室の端で俺は、つるんでいる結城にそんな質問をされその意味がわからずそのまま質問を返した。
「“どう”ったら決まってんだろよ。闘犬のことだよ。」
「闘犬?ああ…成田か。生きてるよ。つーかさっきも来てただろ。」
「ああ、見たけど…そういうことじゃなくてよ。」
「…なんだよ。」
ニヤニヤしてる結城の顔付きが気になる。
コイツがこんな顔、してる時はだいたい。
「エロい話か。」
「わかってんじゃん。」
正解!と言わんばかりに親指を立てる結城にうんざりしながらその指を逆向きに曲げてやった。
なのにヤツはそれでもめげずに俺に超な笑顔を向けて。
「瀬能さ、成田とセックスしたの?」
…と、言った。
深い、
深ぁーい…溜め息をついてから俺は机に置いてるノートを丸めてそれでヤツの頭を思いっきりぶっ叩いて。
「するはずねぇだろ!アホか。」
「またまたー!」
「ヤロウ同士でセックスとか有り得ねぇだろ。キメェな。」
本気の俺の溜め息に結城は少し笑って…そっから急に真顔になって。
「マジで?」
そう言いながら顔を覗き込んできた。
「マジに決まってんだろ。」
「なんで?」
「“なんで”の意味がわかんねぇんだけど。」
「いや、だってさ…?」
伸ばされたヤツの指先がピッとこっちに向けられて。
「瀬能、最近お肌つやつやじゃんかよ。」
言うなりヤツは今日一番の笑顔をこっちによこした。
「は?お肌とかお前は女子か。」
「やや、そうじゃねぇよ!お多感な俺ら男子は定期的に抜かねぇとお肌が荒れたりデキモンできたりするんだぜ?」
「へぇ…」
「なのにお前、マジ肌艶もいいし血色もいいしさ?その顔色は絶対にお盛んなことを物語ってるんだってば!」
熱く語る結城を横目に俺は顔を窓の外に向ける。
まあ…
なんつーか…
セックスはしてねぇがほぼ毎晩、イかされはしてるわな。
そんなことを思いながら俺は夕べの行為を思い返してみる。
夕べは…何回イかされたっけ?
最初の数日間は屈辱でしかなかった行為も…回数を重ねるごとに慣れてくるっつーかなんつーか。
『圭…』
耳に響くヤツのやたらと甘ったるい声も聞き慣れたし、身体を這い回る指にも舌にも…まあつまりは“行為”そのもの全てにすっかり慣れてしまった自分がいるんだ。
嫌がらせだと思っていたがどうやらそれは逆でヤツは本気で俺が好きらしい。
それに気付いたのはつい最近なんだけど。
実際、そう言われたところでやっぱキメェって気持ちがほとんど。
だけど…
まあぶっちゃけ、キモチイイから別にいいかなとも思ってる。
相手がクソヤロウのクソ成田ってのが気に入らねぇが。
ヤツの愛撫はたまらなくキモチよくてヤツの甘えたような声はムダに心地好い。
風呂上がりに向かう俺の部屋の前で膝を抱えて座ってるヤツの姿はリアル大型犬だ。
俺の姿を見るなり立ち上がって背後につき、ドアを開けるのを待ってるヤツのさまが笑える。
…ドアを開けるなり俺の手を引き連れ込んでからはまるでオオカミだが。
風呂上がりの身体を喰らうように貪るヤツ。
どんだけ飢えてんだ?
そう思ってると急に顔を上げて不安げな顔をするヤツ。
よくわかんねぇうちにアイツのペースに巻かれて、乱されて喘がされて夜が更ける。
そんな毎日を、初めてのあの日からずっと続けてるんだ。
『圭…』
耳に残るヤツの声。
それを遮るように掌で覆い…深い溜め息を吐き出すのと同時に授業終了のチャイムが鳴った。
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