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悪夢にしおりをはさみました!
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悪夢
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京は俺から離れると、少し赤くなった目で俺を見つめた。
「綴に言われて確信したよ」
「何を?」
京は一呼吸置いた。
「間宮は、ただの嫌がらせで綴に近づいてるわけでも、その延長で中2の話を持ち出したわけでもないってこと」
「え、え? 俺のこと、嫌いだから冬樹君は……」
「俺もそう思ってた。前に電話しただろ?間宮には裏がある気がするって。俺に対する間宮の態度と綴に対する間宮の態度は全然違う。言い方に語弊があるけど、間宮は俺といるときのほうがあからさまに楽しそうだ」
京が何を言いたいのか、俺にはさっぱりわからなかった。
冬樹君は京が好きなのだから、そんなの当たり前だ。
「それも、不自然なほどにな」
京がそう付け加える。
「初めて話した時は愛想のいい子くらいにしか思わなかったけど、綴と話してるときは普通だった。作り笑顔もしないし、なんならちょっと緊張してたような気がする」
そう言われても、何もピンとくるものがなかった。
そして、そこまで観察している京に微かに恐怖を覚える。
「それって、結局俺のこと好きじゃないってことに繋がるよね?」
「綴のこと好きじゃないっていうか……まぁ、これは本人に確認した方が早いな」
「え、え?」
京はうんうんと一人で納得すると立ち上がった。
俺だけが理解できずモヤモヤしたまま、京についていこうとすると制される。
「綴はここにいて。夕食は俺が持ってくる」
有無を言わせず、京はそそくさと出て行った。
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