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夜中にしおりをはさみました!
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夜中
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兄さんにくっつくようにして目を閉じた。眠れない。眠れないけれど、眠ったふりをする。そうしないと兄さんが心配してしまうと思って。
「カガリ、寝たかー?」
眠いのか間延びした声が左の耳元で擽ったい。次の瞬間、左頬に柔らかい感触が伝わった。
「ん……」
薄っすらと目を開くと、慌てる兄さんの姿が見える。可愛い。耳まで赤いと言うことは、先ほどのはきっと唇なのだろう。
「お、起きてたのか?」
引きつった笑みで誤魔化そうとする兄さんがなんだか可哀想に思えて、僕は寝惚けているふりをして再び目を閉じる。
そのあと、兄さんが僕に何かをする事はなく、僕も気がつけば眠っていた。
翌朝、僕を抱きしめる形で兄さんは寝ていた。朝ごはんを作らなくては、と起こさないように注意しながら抜け出す。
部屋を出る直前、昨夜のことを思い出して、僕は眠る兄に近づき、唇を重ねた。
「どうせならこっちにしてくれたら良かったのに」
小さく呟いて台所へ向かった。
その時兄さんが起きていたかなんて、僕に分かるわけないでしょ。ただ、兄さんが本当に寝てる時は、もう少し寝息がうるさいかな。
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