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ちゃらお君の困惑にしおりをはさみました!
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ちゃらお君の困惑
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目が覚めると目の前に綺麗な顔の男が寝ていた。
恭弥は寝起きで上手く働かない上に、二日酔いか鈍く痛む頭を必死に使って状況を整理した。整理して、更に混乱した。
(え、なんで?えーと、せい…?)
昨夜の記憶がないわけではない。無くなるまではある。いや当然なのだが…
あのバーで待っていたら探し人であったせいには出会えた。少し話もしたし、名前も教え合った。お互い静かに飲んで、目が合ったら微笑まれて、そして飲んだ。ひたすら飲んだ。
(落ちたのか…)
自身の失態に頭を抱えたいが出来ない。静が恭弥を緩く抱いて寝ていたからだ。
仕方なくその状態でまた考える。自身の状況を把握しなければならない。特に、貞操が無事かどうかを…
腰も尻も痛くはない。違和感も感じない。視線を下の方に下ろすと自分のものではない服を着せられていて、寝乱れてはいるもののしっかりと上下身につけていた。身体がベタついていたりもしない、むしろふわりと石鹸の香りがする。
(ヤられては、なさそう…?)
恭弥はほっと安堵の息を吐いた。
(じゃあまさかヤっちゃった…?うーん…でも流石に抱く側だったら記憶あるはずだよなぁ)
じゃあ何も無かったかな、という結論に至って恭弥はふぅっと一息ついた。
「おはよう恭弥」
びっくぅと飛び上がる勢いで驚いた。
それを見た静は目を細めてくつくつと喉の奥で笑う。恭弥は羞恥に頬を染めた。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫……です」
ふっと静の目元が緩んだ。そして恭弥を抱いていた手を持ち上げて、恭弥の顬から髪に手を差し入れるとくしゃっと撫でた。
恭弥は呆然としてされるがままに受け入れた。
直ぐに手は離れていって静が起き上がった。そのまま立ち上がって部屋から出ていったために恭弥も慌てて起き上がる。
しかし付いてこいとも言われていないのに勝手に行っていいものかと迷う。そして結局そのままぽつんと座っていた。
暫くして戻ってきた静が恭弥に顔洗っておいでと洗面所に連れて行き、終わったらあっちのリビングに来るようにと言った。
(この状況、どうしたらいいんだろ…)
そんなことを何度も考えた恭弥だったが、答えなんて出るはずもなく、静が当たり前のように朝食を用意して一緒に食べた。
「はい、これ恭弥の歯ブラシ」
そう言ってまた当然のように渡されて一緒に歯を磨いた。寝癖も静が直してくれた。
(え、え…?)
困惑する恭弥に静はにこりと笑うだけだった。
「恭弥、こっちにおいで」
呼ばれてソファに座る静の前に恭弥は立った。するとぐいっと手を引かれて、突然のことに何も出来ずに倒れ込む。
「せ、せい?何この体勢…」
静の膝に跨るように向かいあわせで見つめ合う形になった。
「んー?」
またニコッと笑った静はその質問には答えずに口を開く。
「恭弥さ〜今彼女いる?」
「え……いない、けど…」
「そっかぁ、じゃあ彼氏は?」
「それも、いない…」
「ふむふむ…じゃあ、俺が恭弥の彼氏になってい?」
「…………え?」
恭弥は鳩が豆鉄砲を食らったような顔で暫く固まった。
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