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ちゃらお君は甘党(4)にしおりをはさみました!
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ちゃらお君は甘党(4)
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駅に着くと方向の違う2人は別れ、恭弥は1人で電車に乗っていた。
『心優しい親友から斗真にプレゼント』
そんなメッセージと共にちとせの写真を2枚を斗真に送る。
(ん〜見ないかな?)
いつも気になるメッセージじゃないと既読を後回しにされるため恭弥は写真の後に『ちとせ』というメッセージも付け加えた。すると直ぐに既読が付いた。
(そーゆーとこ、単純だよね…)
普段は幼なじみの恭弥でさえ扱い辛いと思うことのある斗真だが、ことちとせに関してはわかりやすすぎるし扱いやすい。
『よくやった』
そんなメッセージが送られてきて電車の中なのに笑ってしまう。お互いに用がなかったり、返す必要のないメッセージには既読を付けるだけで返事をしないことが多いのだが、珍しくメッセージが返ってきた。余程気に入ったようである。
恭弥はそのままスマホを閉じるとふと窓の外を見る。遠くの空に日が沈もうとしており、赤く色付いている。
(そろそろ仕事終わる頃かな?せいの家に着く頃には帰ってるといいなぁ〜)
そう思って静の家に辿り着いたのだが、残念ながら静はまだ帰宅していなかった。マンションのエントランスで待ちぼうけというのは中々に辛い。住人が時々通るし、どこに立っているのが正解かがわからなくて居心地が悪い。
(18時40分か…19時には帰ってくるかなぁ。今日来るって言ってないし遅かったらどうしよ…)
恭弥は不安になってメッセージを送るか迷った。しかし仕事が長引いている可能性もあると思うと躊躇われる。
(て言うかせいって何の仕事してるんだろ…)
いや何で知らないんだよ…と突っ込みたくなるが興味がなかったとしか言いようがない。静に興味がないわけではないのだが仕事が何であれ静は静だし恭弥は何だっていいのだ。
(でもまぁ今度聞いてみよ)
思考をやめ、恭弥は壁に凭れてぼーっと向かいの壁を眺めて静の帰りを待った。
「恭弥?」
はっとして声のした方に視線を向けるとピシリとスーツを着こなした静が立っていた。
「…おかえり」
恭弥が壁から背を離してそう言うと静が一瞬驚いた後顔を綻ばせた。
「ただいま」
嬉しそうに静は笑う。その表情を見られただけで待っていて良かったと思える。
「いつから待ってたの?」
「今さっき」
本当は20分ほど待っていたのだが静に会えただけでもうそんなこと気にならない恭弥は適当に答えた。
静はと言うと声をかける前につまらなさそうにしていた恭弥を見ていたためそれが嘘だと気づいている。
(声かけた途端嬉しそうな顔しちゃって…ほーんと可愛いやつ)
エントランスのロックを開けて2人はエレベーターに乗り込む。
「せい、明日予定とかない?」
「あるよ」
「ぇ…」
「恭弥を可愛がるって言う大事な予定」
「……」
数秒、恭弥は固まっていたが言葉を理解した途端にぶわわっと赤くなる。それを見た静が我慢できるはずもなく恭弥の顎を掴んで唇に噛み付くようにキスをした。
「んんっ………」
くちゅくちゅと舌を絡められ貪るようなキスをされて恭弥は腰が引けて壁側まで逃げ、それ以上後ろへ下がれなくなると今度はしゃがみ込もうとした。しかし腰に静の腕が回されて引っ張りあげられると身動きが取れなくなった。
「ふ、んむ……んんぅ………はっ、あ、ん〜〜〜‼︎」
もうやめてと必死に静の胸を押して抵抗するとチュッとリップ音を鳴らして静の唇が離れた。身体もまた離れていく。それが少しだけ名残惜しくて静を見詰めたまま恭弥は思わず口を開く。
しかし恭弥が声を発する前にポーンという軽やかな音と共にエレベーターのドアが開いた。
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