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18歳以上ですか?
その男にしおりをはさみました!
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その男
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がこん…がこん…
最終電車が通る高架下…青年は壁に背をもたれて 携帯を耳に当てた。
プルルルル…ルルルルル
「あっ、こんばんはー健翔さん。聞いてくださいよー、1日恋人のフリしてくれる人見つけました!名前は…凛桜 空。俺より1つ年上の大学生でした!」
『落ち着けバカ。お前の声は本当うるさい。で、その空ちゃんは明日来てくれるんだな?』
「はいぃ!ちゃんと待ち合わせの場所の紙渡したから大丈夫です!」
上機嫌な声でニコニコする青年。
「そうか、そりゃよかった。で 名前は伝えたか?」
「ナマエ?」
点々…と、頭上でハテナが浮かぶ。
「お前の名前だよ、言わなきゃ相手困るだろーが。」
「あっ、言ってない」
「死ね 行ってこい」
「あっ、健翔さん待っ…」
ツーツー
携帯の電話は既に切れていて 青年はがくりと肩を落とした。
「( 」´0`)」Oh nooo」
まさに叫びたい気持ちを抑え…られずに大声で叫び そのまま来た道をまた走った。
ーーーーーーー
(ふぁー、いい風呂だなぁ)
水道は止められているため… 近くの銭湯に来ているんだが…ここの銭湯は年齢層がやけに高い。
さっききたあの青年は…いったい何だったんだ…?
名前も名乗らないし いきなり付き合ってくれとか…まず順序ってもんがあるだろ全く…
「マジ…うぜぇ」
「何がうざいー?」
「なんかさぁ、愛がないやつていうか、タラシ的な奴…って、うわぁ!!」
横を見るとさっきの青年がちょこーんとお湯につかっていた。
「お前…なんでここに?」
「いやぁ、名前伝えてないなぁー、って思ってさ。戻って来た」
当然の様に笑う青年だが、空はだらだらと冷や汗をかく。
「なんで…銭湯来てるって…わかった…?」
「んー、裏の情報から?」
「怖っ!お前マジ怖い…」
「てか、さっきうざいって言ったの絶対俺だろ~?もうぷんすかぷんすか」
青年はガキみたいにオーバーリアクションで『怒ったポーズ』をする。
「はぁ…、だってマジでうざいし」
「うわー、ひどいよー。俺泣きそう」
「勝手に泣け馬鹿」
年上なのに、敬語も使わず更にはバカにする俺…
「うー、そんなこと言う奴には…こうだ!」
と、いきなり青年が俺に飛びかかって脇に手を挟んだ。
「ひゃあ!ちょっ、離…」
「うへへ、このまま手を動かせばどーなるかなぁ?」
指が少しぴくっと動く。
「あっ!やめ…本当…ダメ…」
「そりゃー!」
指を早く動かし 俺の脇を思い切りくすぐる。
「やぁあぁああぁあ!!!あははは!!やめっ…ひぃ」
脇が弱い俺はお風呂の中で思い切り叫びまくった。
周りのおじいちゃん達は「若いのぅ~」とか「仲良しで何よりじゃ~」などまるで孫を見るかのような暖かい目で見守った。
いや、全然仲良くありません 俺ピンチです。
「らめっ…ひぃ…ひゃ…」
「ちょ…あんた…エロい…」
同情したのか ぱっと 脇から指を離してくれた瞬間俺は素早く浴槽の端っこへ逃げた。(でも浴槽ちっさいから結局近い)
「はーっ、はーっ…、ば、ばか!あほ!俺ホント脇弱いから!」
「ほほう、脇が弱いとな…。ニヤリ」
「ちょ、マジ死んでください」
「…?お、もしかして勃ってらっしゃ…」
「わーわーわー!!ちょお前本当許さねぇぞ…」
「くすぐられて勃つとか どM…」
「生理現象だ!」
フーフーと荒息たてて 威嚇する空に、青年は笑いかけて…
「抜いてあげよっか?」
「ぱ?」
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