アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
死神先生、会合に呼ばれる【4】にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
死神先生、会合に呼ばれる【4】
-
クロは階段を降りてエントランスを横切り、綺麗な細工のある扉を開けた。そこはダイニングキッチンで、牛頭が料理の支度をしている所だった。
「牛頭ねぇ、なんか遊ぶものない?」
「クロ様、コハク様…用事があれば私から参りましたのに」
「いーの。俺は牛頭ねぇと対等な立場がいいって言ってるだろ」
牛頭は困ったように、そしてどこか嬉しそうに俯いた。作業の手を止め、前掛けで手を拭くと古い戸棚からボードやカードを持ってきた。
「チェスとトランプ…あとオセロ盤がございます」
「どうする?なんかやりたいもんでもあるか?」
「僕は…チェスがいいな」
コハクは無意識にそう答えた。
「チェスか。出来るのか、お前」
「あれ…?僕…チェス…なんて…」
「まあいいか。俺も強い訳じゃねぇし、飽きたら別のゲームでもすればいい」
そう言って、クロは牛頭からボード一式を受け取り、ダイニングテーブルの上に広げた。
ダイニングは大きな窓があり、庭の植物の様子がよく見えた。見渡す限り、様々な種類の草花が生えていて穏やかな空気が流れている。
2人はたわいのない話をしながら駒を進めた。意外にも熱中して、時間を忘れてチェスを楽しむ。
「…くそ」
「チェックメイト」
「何だよ!お前めっちゃくちゃ強えじゃねえか!これならブラッドともやりあえんだろ」
「…自分でもびっくりしてるんだ。チェスなんて…したこと無かった…のに…?」
ポーンを弄びながら、クロはコハクに言った。
「チェスがさ、こっちに来る前のお前が得意だったんじゃねぇの?」
「……え?」
「だから無意識に体が覚えてるとか」
「そう、なのかな」
「知らねぇよ。自分で考えろって。…なぁ、もっかい」
「…うん」
その後2人は、牛頭に昼ご飯の準備が出来たと呼ばれるまでチェスを続けた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
12 / 24