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第2章 2
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昨日の夜には、朝食の下拵えを済ませていたので、朝はそれを炒めたりすればいいだけなのだ。
綾人が皆んなの朝食の準備をする頃には、窓の外もほんのりと日が差して来て、後はダイニングテーブルに運ぶだけというタイミングで、
リビングに綾人の息子である長男の桜庭李土が顔を出した。
「おはよう。俺も手伝うよ」
そう言って、食器に綺麗に盛られた料理を、何も言わなくても運んでくれる李土は、親の贔屓目無しでも本当によく出来た息子である。
ご近所さんからも、桜庭家のアイドルの如く人気で、子供の頃から、その整った容姿で人々を魅了して止まない李土は、我が家の自慢の長男だったりする。
今日も朝だと言うのに、隙一つない身だしなみだし、未だに寝巻きにエプロン姿の自分とは、似ても似つかない、いったい僕の遺伝子はどこにいったのやらと、頭を傾げる日々である。
そんな事を思いながら、李土の顔を見ていた僕に気付いたのか、
少し顔を傾けながら、微笑みを向けて来た李土は、
「後は俺がやって置くから、母さんは信之起こして来てよ」
と、悪戯げに言ってのける。
そんな李土に、少し顔を赤くしながら、僕も
「はぁ〜い。いつもありがと〜。」と、返事を返した。
我が子ながら、というか、
さすが大河の遺伝子を継いでいるだけあって、朝一の眼福は心臓に悪い。
親でも照れる微笑みなのだから、パンピーな皆様が心酔してしまうのも無理からぬ事。
なのかも知れない。
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