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《和也》
家に帰ると、窓ガラスが割れていた。
割れた窓ガラスは、紙で応急処置がされて、スミの方に寄せてある石が、全て、物語っていた。
また…か。
「……また…引っ越すの…?」
凛が、沈んだ声で聞く。
ため息を吐きながら、頷いた。
どこに行っても一緒だろうが、知られてしまった以上、ここには住めない。
それに、大家が黙ってる筈がない。
また、安アパートを借りて、夜逃げ同然に越すことになる。
「…そっか。わかった。」
無理に笑って、凛が言う。
……調子が悪い分、また引越すのは、こいつにとったら負担だろうが…、嫌がらせが始まる前に、貸しアパートを見つけなければ…。
かといって、神原先生にすぐに診てもらえる所にしないとならない。
こいつにとったら、神原先生は生命線だ。
2人で、細々と遅くなった夕飯を食べていたら、また、窓ガラス替わりに貼った紙を突き抜けて、石が飛んで来る。
「………!」
凛が身を竦めた。
………それ以降は、静かになった。
…………もう、行ったようだ。
「……食べよう。」
「……ん…兄さん…。」
どうして…
どうして放っといてくれないんだろう…。
………一年も前の事なのに…。
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