アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
3にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
3
-
「カナデはこの部屋を使って。隣の部屋はリオが、その向こうに続く部屋を護衛の人達に使ってもらうから。俺の部屋は、この建物を繋ぐ通路を渡った向こう側なんだ。せっかくカナデが来てくれたから、時々ここに泊まりに来てもいい?」
一息に喋ってはしゃぐサッシャを見てると、こちらまで嬉しくなってテンションが上がってくる。
やっぱり十六歳の可愛い男の子だよなぁと、俺は目を細めてサッシャを見た。
アルファムに見送られて日の国に入ってから、途中の小さな城で一泊して、翌日の夜遅くに王城に入った。
遅い時間だというのに、サッシャの父親のディエス王が待っていてくれて、大広間で挨拶を交わした。
サッシャの父王は、サッシャと同じ黄色い髪をしており、サッシャが歳を取ったらこうなるんだろうな…という容姿をしていた。
話に聞いていた通りの豪快な人で、最初は緊張していた俺も、気さくに話しかけられて、すぐに緊張が解けた。
それに、黙っていると怖い雰囲気だけど、笑うと一気に柔らかな雰囲気に変わって、すごく親しみやすい。まるで親戚のおじさんに会ってるかのような気安さで長々と話し込んでしまい、王様の側近やミケに注意をされて、やっと話を終えた。
そして、サッシャやミケに案内されて部屋へと来たのだ。
俺が部屋をひと通り見て回っている間、サッシャは窓の側にある椅子に座って待っていた。
部屋は、アルファムの部屋と同じくらいの広さで、装飾は金や白を使っているから明るくて煌びやかだ。
二人で寝ても充分に余裕のある大きなベッドにテーブルと四脚の椅子、タンスが置かれているだけのシンプルで落ち着く部屋だ。
四脚の椅子の一つに座るサッシャが俺をジッと見ていることに気づいて、「なに?」と首を傾げた。
「いや…、カナデがここにいることが不思議だなぁ…と思ってさ」
「そう?それを言うなら、俺も他の国に遊びに来るなんてことがあるとは思わなかったよ」
「ふふ、それに殺風景なこの部屋に、カナデの赤い上着がよく映えて綺麗だな…と思って見ていたんだ」
ディエス王と会うに当たって、持ってきていた赤い上着を羽織ったのだ。確かにこの赤い色は、とても華やかな綺麗な色をしている。
「うん、この色綺麗だろ?貧相な俺には似合わないと思うんだけどさ、アルが『よく似合う』と言って、部屋には赤い上着がズラっと並んでるんだよ?おかしくない?」
俺の部屋のクローゼットの中を思い浮かべて、苦笑いをする。
俺は上着を脱ぐと、タンスの中にかけて、サッシャの隣に座った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
112 / 427