アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
18にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
18
-
すぐに扉が向こう側に開いて、アルファムが姿を現した。
「カナ」と呼んで微笑むアルファムを見て、俺は固まってしまう。
俺と同じ、光沢のある白い上着とズボン。アルファムはリボンではなく、光沢のある黒いスカーフを巻いている。そして、肩に羽織った赤いマントが、赤い髪の毛によく映えて、もうめちゃくちゃかっこいい!
アルファムを見つめたまま動かない俺に首を傾けて、「どうした?」と笑う。
そんな動作一つにも胸がきゅんとして、俺はぽふんとアルファムの胸に頭をつけた。
「なんだよ…アル、かっこ良すぎ…」
「そうか?いつもと変わらぬ。それよりも、カナデが最高に綺麗だ」
「え?いや…、うん。ありがとう、アル」
「ん?やけに素直だな」
「うん…、だって、アルが綺麗だと思ってくれたらいいな…って思ってたから…」
「なんだ、そんなことはいつも思ってるぞ。でも、そうだな。言葉に出さないと伝わらないからな。これからは、毎日おまえにきちんと伝えよう」
「…毎日?」
「そうだ。足りないのなら、何度でも言うぞ?」
「…じゃあ、俺が言って欲しい時には、いつでも言ってくれる?愛してるって…」
俺、調子に乗って図々しいこと言ってるかなぁと照れて、少し俯く。
アルファムの大きな手が、俺の背中に回されて、優しく抱きしめられた。
「当然だ。何度でも言ってやる。カナデ、愛してる。お前は、俺の宝だ」
「アル…ありがとう。俺も愛してるよ。俺、全然頼りないけど、アルの力になれるように頑張るっ」
「またそんなことを言ってる」
俺の髪の毛を数回撫でて、その手を頬に滑らせる。
「俺の隣にいてくれるだけでいいと言ってるのに。可愛い奴だな…」
甘い息を吐いて、アルファムの顔が近づく。しっとりと唇を重ねながら、細められた緑色の目を見た。
「ああ、まずい。このまま抱きたくなってしまう。おまえは、いつも俺を惹きつけて止まない…」
「あ…、ダメだよっ、そろそろ時間じゃない?」
「そうだな…」
唇を触れさせながらそう言うと、アルファムが名残惜しげに身体を離して、俺の手を取った。
「では、行こうか」
「うん。でも、どうしよう…、今になって緊張してきたっ」
「大丈夫だ。俺が隣にいる」
ギュッと握られた手を見てアルファムを見る。
そうだ。皆の前で、俺達の揺るぎない愛を見てもらうんだ。皆の前で、一生愛し合うことを誓うんだ。
俺は、深く頷くと、アルファムと並んで歩き出した。
今から、俺とアルファムの婚儀が行われる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
180 / 427