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五日間の薬を飲み終わって三日後に、熱が出た。
朝起きて、少し身体が熱いな…とぼんやりしていると、いち早く俺の異変に気づいたアルファムに、絶対安静を言い渡された。
「そんなにしんどくないよ?たぶん、微熱程度だと思うんだけど」
「軽く思っていたらダメだ。カナは今、普通の身体ではない。この熱はきっと、腹の中で袋が作られている為に、副作用で起きた熱だと思う。この後も何が起きるかわからない。心配だから、大人しく休んでいてくれ」
アルファムにものすごく真剣な顔でそう言われて、俺は神妙に頷いた。
それならアルファムの仕事の邪魔にならないように、自分の部屋で寝ようと思って身体を起こす。
途端に「何をしている」と押し戻される。
「俺…アルの邪魔にならないように、自分の部屋で寝る」
「ダメだ、ここにいろ。邪魔になどならないし、カナの姿が見えてないと心配で仕事に手がつかなくなる」
「…わかった。あとさ…お腹空いた」
「食欲があるなら大丈夫だな。すぐに用意させる。待ってろ」
アルファムが、俺の額にキスをすると、ベッドから降りて部屋を出て行く。
扉がバタンと閉まったのを確認すると、俺はベッドの上でお腹を抱えて身体を丸め、深呼吸を繰り返した。
微熱のせいで、身体が熱くて頭がぼんやりとしている。でもそれだけじゃなく、お腹の奥が重くて痛い。いや、痛いというより怠いというべきか…。
たぶん、女の人の生理痛ってこんな感じなのかな…っていう痛さだ。それもひどいやつ。
俺に少し熱があるだけで、あんなに心配してたから、痛いなんて言うと、アルファムは、それこそ仕事をほっぽり出して、俺の傍から離れなくなると思う。
もし子供ができると、この先長い期間何かと心配をかけさせてしまうのだから、まだ出来てないうちからあまり心配をかけさせたくない。
だから自分の部屋で休みたかったんだけど…。
仕方ない。なるべく布団に潜って我慢しよう。
そう思っていると、部屋の外から足音が聞こえてきた。
俺は、ゆっくりと身体を起こしてベッドの端に腰掛ける。
扉が白く光って開き、アルファムと料理が乗ったワゴンを押しながらリオが入って来た。
「あれ?リオ、おはよう。どうしたの?」
「おはよう、カナデ。どうしたのはこっちの台詞だよ。熱があるんだって?」
「うん、でも大したことないよ」
「油断は禁物だよ。食事が終わったらすぐに休むんだよ?」
「ふふっ、わかってるよ。皆が俺に過保護過ぎる…」
傍に来たアルファムに支えられて、テーブルの前の椅子に座る。
隣にアルファムも座り、心配そうに俺の頬に触れる。
「先程よりも熱くないか?カナの異変が外に漏れると困るから、リオに料理を運ばせた。何かして欲しいことがあれば、リオに頼めばすぐに動く。もちろん、俺にも頼れ」
「うん、ありがとう」
俺は、俺の頬に触れるアルファムの手を握ると、笑って頷いた。
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