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68にしおりをはさみました!
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68
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「男って…俺が産んだ子だよ?愛しくて可愛いに決まってるじゃん。だから触れたいしキスもする。でも、アルとするキスとは違うから」
「どう違う?」
「ちびアルには、大切な家族にするキス。アルには、愛する人にするキス。まだわかんない?俺がどれだけアルを愛してるか…」
「…わかっている。すまぬ…。カナがちびアルばかり構うから、少し…意地悪を言ってみたのだ…」
「…俺もごめんね。ちびアルの世話かそれ以外の時間は寝てばかりで、アルと過ごす時間が無かったよね。最近は、ちびアルもよく寝てくれるようになったし、その間は二人で過ごそ?」
「うむ。ちびカナも可愛いが、俺はカナを愛でたい」
「ふふ、アル、愛してる」
「俺も愛してるぞ」
拗ねたアルファムに困ってもいたけど、密かに可愛いなとも思っていた。
そして今みたいに俺がアルファムのことが大好きだと伝えると、とても素直に返してくれる。
こんな子供みたいなアルファムは、きっと俺しか知らない筈だ。
それがとても嬉しい。
「うー」
「なんだちびカナ。眠たいのだろう?早く寝ろ。今から俺とカナの時間だ」
「うーあうっ」
アルファムは、早く寝ろと言いながらも、ちびアルの隣に寝転び柔らかな頬を指で撫で始めた。
ちびアルは、足を激しく動かして、アルファムの胸をポコポコと蹴っている。
「…こら、痛いぞ。この子は力が強そうだ。それに、魔法の才もある気がする。早くに炎を使えるかもしれんな」
「そうなの?すごい!俺もちびアルと一緒に練習しよう」
「おまえのことは俺が全力で守るというのに。まあいいが、無理はするなよ」
「うん。ちびアルぅ、俺に魔法を教えてね」
「あう」
俺が、小さな手をそっと握りしめながら言うと、ちびアルは、まるでわかったと言うように手を大きく動かした。
「俺の言うことがわかるの?賢いねぇ。ちびアルを皆に紹介する日が楽しみだよ」
「うむ。俺とカナの子だ。国民も祝福してくれるだろう」
「うん…男の俺が産んだ子だけど、大丈夫かな…」
「男とか女は関係ない。この国の王である俺と、神の子であるカナの間に産まれた子だ。各国からも羨望の的だぞ」
「まだ言ってる…俺は神の子じゃないのに…。でもそれはそれで心配…。ちびアル、狙われたりしないよね?」
「おまえが不安がるから言いたくは無いのだが、黙っていて何か起きてしまっては困るから、はっきり言うぞ。この国に、俺やカナをよく思っていない者が、一人もいないとは限らない。ベアトリクスはいなくなったが、第二第三のベアトリクスが出てくるかもしれぬ。それらの者は、当然、ちびカナの誕生を良くは思わないだろう。だが、おまえとちびカナは、俺が必ず守る。おまえが命懸けで産んでくれたのだからな。安心しろとは言いきれぬが、大丈夫だ。だが念の為、おまえも用心しておいてくれ」
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