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* Scent.2 *
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立花はマニュアル通りに爪の間の汚れまで石鹸でしっかりと洗い落としながら、もう一度「すみません」と謝った。
シフト上の時間では遅刻にあたらないが、始業10分前には仕事場に身支度を整えて入るのが原則だ。
パートの女性達は律儀に頭を下げる立花を、優しい挨拶で迎えた。
食堂と同一の建物内にあるカフェスペースが、立花の職場だ。
明確な仕切りはないが、一般学生向けにつくられている入り口近くの席とは違い、奥のスペースは落ち着いた雰囲気で構成されている。
主に来客用にゆったりと寛げるためにソファ席がメインになっていて、直接客の元へ出向いてオーダーを取りに行ったり、料理やドリンクを届けたりもする。
利用客は少ないけれど、特に決まって忙しい時間帯もないため、女性パートが四人とここの男子大学生のアルバイトが一人だけだ。
「おはようございます。前、代わりますね」
「おはよう。包海さん。今日はね、八人も来たのよ。過去最高記録ね」
「……学校側にちょっと怒られそうな売り上げですね」
立花よりも古株の内田とカウンター前を交代する。
11時から遅出の立花は、軽く引き継ぎをしてから「お疲れさまです」と見送った。
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