アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
7にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
7
-
敬語で喋られると、緊張するから。そう言われて、俺はあっさりため口をきいてる。ムカついたりしないのかな。学校じゃ、たかが一個上の先輩は、そういうのやたら気にするし、先生も厳しい。
「イタリアってどんなとこ? ピザ食べた?」
「知らない。食べない」
「えー食べないの! もったいな! つーか知らないわけないじゃん!」
「うるさいな。……食べたよ。美味しかったよ。終わり」
「パスタは? お洒落な町?」
「知らない」
「…………ググっちゃうぞ」
「イタリアについて? どうぞご自由に」
むむむ。むかつく。俺の身の回りの大人は、俺にたいしてこんなぞんざいな受け答えはしない。そっぽをむいてばっかの、人間嫌い。……でも、インターネットで名前を探したら、ツイッターやフェイスブックじゃなくて、他人が情報をまとめてるレベルなんだ。
「…………ヒヤさんってすごい人?」
「すごくないよ。……ただの変人」
「近所じゃそうだけどさ。…………みんな知らないの? 建築家って」
「言うなよ絶対。……いいんだよ、このままほっといてくれれば」
「えー? だって魔女とか殺人鬼とか吸血鬼とか頭おかしい人とか思われてるよ? もう自殺したとかいっそお化けとか言われてるよ?」
「……直接それを僕に言える君がすごいよ。……どうでもいいな」
「良くないよー。俺の恋人になる人なのに」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 136