アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
3にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
3
-
「止めてよ。やだよ」
案の定、ヒヤさんはいやがった。
どんどん狭くなる螺旋階段のてっぺん。そこは床も壁もふかふかに出来ていて、更にいろんな形の、淡い色ばかりのクッションで、床は埋もれている。窓のない、円錐形の空間。ほのかなオレンジ色の間接照明。
今日、初めてそこに入った俺は、まるで夢でも見てるみたいだと思った。
ヒヤさんは子供みたいに、薄ピンクのクッションを抱きしめている。
「俺に言われても」
「君以外にいないだろ」
「いいじゃん。大好きな男の子いっぱい来るよ」
からかって言ってみたら、
「ああ、そっか……うーん」
大人は真剣に悩んだ。子供の俺は慌てる。
「え? やっぱ男の子好きなんだ」
「えっ……………………………………うーん…………」
なんだよ、もうはっきり言っちゃえばいいのに。そしたら俺だって、もっと押せるのに。
「………………まあ、いっかあ。日取りわかったら教えてね。逃げるから」
「逃げんの」
そりゃそうだよ、とヒヤさんは言った。人に詮索されるのを、呑気に構えてられないよ。
「……ヒヤさん、みんなの誤解といたりしないの?」
「誤解?」
「変な人とか悪い人って思われてること」
「………………………それはあんまり誤解じゃないしなあ」
「犯罪者?」
「違うけど」
「だからさあ……」
「えー、もう。別にいいよ。このままでも」
「なんで?」
「そのほうが面白いから」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 136