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完結後の世界 =10(真実⑦)にしおりをはさみました!
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完結後の世界 =10(真実⑦)
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謝る、謝る、俺はアイツに謝る。
心の中で何度そう唱えても、実際に行動に移そうとすると足が竦む…いや、その場から動けないが正しい。
それでも時間は刻一刻と進んで、ついに…
「来てしまった…」
あと一歩で教室。
そっと扉に耳を傾けてみるけど、何も聞こえない。
もしかしたら…もしかしたらアイツは居ないかもしれない。
そうだ、居ないなら言う必要も無い。
1度息を整えて、ガラガラと扉を開けた__
「おっそ…………っ透?」
窓際の席で夕日に照らされている凪。
パッとこっちを向いて、目を見開いたあと、ほんの少し表情を歪める。
ギリっと歯を食いしばるように俺を拒絶する…そんな顔。
「な、…んで…」
何を、言えばいい…?
どこから、?
本当に俺は謝るだけでいいんか…?
死の恐怖を与え付けた友達に
色んなことが頭を回って、真っ白になって。
そんな俺から出たのは、正しく自己中で、自分を隠すための言い訳だった。
「…ぁ、あぁ…えーっと、俺の父さんの件なんやけど…もう忘れてくれていいから」
「…………………は?」
「だから…えっと、もう解決?したんやんか…だから忘れてくれていい」
顔も見ず、斜め下を眺めながら、少し早口になる。
こんなことを言いに来たんじゃないのに。
ちゃんと謝るって…自分で決めたのに…
いざとなったら逃げ道を残すような言い方しかできない。
「…え、いや…そんなの急に言われても困る……解決って何?僕が巻き込まれたの分かってる?僕の親が関わってる可能性があるなら僕に話してくれてもいいじゃん…」
「いや、関わってたけど関わってなかったって言うか…〜〜ッあぁもう!とりあえず俺ん家行くぞ」
「は、はぁあああ?」
__凪の手を引いて、そのまま走り出した。
こんな風に触れるのいつぶりやろう。
記憶にある凪の腕より細い気がした。
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