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ライオンのハートにしおりをはさみました!
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ライオンのハート
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「葉瑠…? お前だったのか。」
まるでこの世の終わりかのような表情をしながら魘されていたナギだったが、葉瑠の柔らかな温かい声で目を覚ましたことにより、落ち着いた顔を取り戻した。
「よかった…。ひどく魘されていましたから…。」
少し涙ぐむ葉瑠の表情が愛おしい。素直なれない心の奥底でナギはそう思ったのか顔を赤くして言った。
「あ、ありがとな葉瑠。もう既に薬が効いてきてるよ。ちょっと教えただけなのにすごいなぁお前。」
「こちらこそそう言っていただけて嬉しいです。ナギさんの教え方が上手だったから…。」
謙遜する葉瑠もかわいい。やっぱり葉瑠のことが好きなんだとナギは自覚せざるを得なかった。
でも今は、そんな気持ちを誤魔化すかのように言った。
「そう言えばレオと勇は大丈夫なのか? あとあいつ、ゼルはどうだ?」
「レオさんと勇さんなら、雨漏りしている廊下の天井を見てくれてます。ナギさんが目を覚ましたことを知ったら喜んでくれますよ。ゼルさんは、奥の一室で寝ていますが、まだ目を覚ましません…。」
ナギは2人とも無事であることが分かり、安心した。ゼルに関しては、邪心を斬られてことによる身体の負荷により、少なくとも3日は目を覚まさないことを葉瑠に伝えた。
「葉瑠〜? やっぱりプロに修理してもらわないと無理そうだったよ。」
廊下から勇の声が聞こえた。2人が戻ってきたようだ。レオは目を覚ましたナギを見るなり、泣きながら抱きついた。
「ごめん…ナギ…ぼくのせいでこんなボロボロになって…。」
「何言ってんだよ。これがおれの任務なんだぞ? それに…それにお前はおれの主君でもあるけど、大事な友達だ。 これくらいなんてこともないよ。」
照れくさそうにそう答えるナギだったが、いつまでも寝ていてはレオを守れないと思い、立ち上がり歩こうとした。
「イテッ…!」
治癒は進んでるいるが、やはりまだ深いナイフの傷口が歩こうとすると痛む。
「ナギ、今は休んでて。ぼくの魔力だって炎を操ることができるから、いざとなれば戦えるよ。」
ナギはレオの力強い言葉を聞いて心が踊った。昔泣いてばかりだったレオが自力でなんとかしようとする姿勢に驚きを隠せなかった。
「レオ、お前本当にたくましくなったな…。そんなライオンのような強い心を持つ王子に仕えることができておれは光栄だよ。」
「おれは絶対にお前を守り抜く。そのために1日も早く回復するから、待っててくれよ…!」
レオは強く頷いた。それを見てた勇や葉瑠も、2人なら絶対大丈夫だと確信した。同時に、自分たちも何かできることはないかということも考えた。
そして勇は急に思い立ったかのように言った。
「そうだ! みんな腹は減ってないか?」
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