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狙われた店主8にしおりをはさみました!
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第1章 かなしい蝶と煌炎の獅子 〜不幸体質少年が史上最高の王に守られる話〜
狙われた店主8
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そう思ったところで、追及の手は緩まない。何度も何度も同じところを抉られては、その度に全く同じ質問をされる。潰えかける気力を総動員し、かろうじて首を振って意思を示したところで、また同じことが繰り返されるばかりだった。
終わりの見えない繰り返しは少年の身体と精神と疲弊させたが、それは相手も同様だったのだろう。温和な笑みに少しだけ苛立ちを滲ませたデイガーは、後ろに控えていた男に水桶を持ってくるようにと指示を出した。すぐさま用意されたそれを少年のすぐ目の前に床に置いてから、にっこりと微笑む。
「あの男の正体と目的を、教えておくれ」
知らない。
本当に、何も知らないのだ。
痛みに段々と朦朧とする頭を叱咤して、のろりのろりと首を横に振った瞬間、後頭部を掴まれる。そのまま勢いよく顔面を水桶に突っ込まれ、少年はごぼごぼと息を漏らして水を飲んでしまうが、頭を押さえる力は一向に緩む気配がない。あまりの苦しさに痛みも忘れてもがいてもがいて、それでも呼吸することが叶わず意識を手放しかけたとき、強い力で顔を上げさせられた。
「っ、げほっ、ごほっ、」
「おやおや、大丈夫かい?」
水を吐きながらひゅーひゅーと呼吸する少年の頭を、デイガーが撫でる。
「とても苦しかったね。可哀相に。でも、君が良い子に話せばこんなことにはならなかったんだよ」
乱れた呼吸を整えようと努めながら顔を上げれば、にっこりと微笑むデイガーと目が合った。
「それで? あの男のことを教える気にはなったかい?」
「……ぼ、く、……なにも……しらな、」
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