アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
17.止められないにしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
17.止められない
-
保住をそっとソファにもたれ掛け、そのままキスを繰り返す。
啄ばむようなキスの合間に洩れる彼の吐息が耳を突く。
それだけで、欲情は昂ぶる。
この時をどんなに待ち望んだのだろうか?
何十年と、こうしてそばにいたのに。
彼の唇に触れるのは初めて。
初めは冷たい感触だったのに、吉岡との接触で温かみを増す。
遠慮がちな口づけも、最初だけ。
次第に我慢できなくなって、深く深くなる。
角度を変えて、舌を絡ませて吸い上げる。
「ん……っ、んんッ」
吐息のように洩れ出る甘い声だけで、意識が飛んでいきそうだ。
夢みたい。
夢なのか?
これは。
口角から滴る唾液に構うことなく、唇を離す。
保住の顔が見たい。
キスだけで息が上がるって。
体力がない証拠。
吉岡は、肩で息をしている彼の頬を撫でる。
これは。
「想像以上ですよ。保住さん」
「はぁ、はぁっ、……想像ってなんだ」
「だって。こうしてみたいって想像します」
「お前、仕事もしないで、そんなこと考えていたのか?」
「仕事はしています。あなたに習ったこと全て。言いつけ通りに……」
何かを言いかけて開かれた口に、更に口づけを落とす。
「吉岡っ!……はうッ」
甘い。
彼の命が、病に持っていかれるなら、自分が吸い尽してやりたい。
そんな衝動に駆られる。
貪るように。
更に更に口内を犯す。
「はっ、……や、吉……、岡……ッ」
長年の思いと、目の前の彼の姿。
箍が外れるのは容易なことだ。
我慢しなくていいのだ。
自分の気持ちを。
自分の欲望も。
保住の腰を引き、ソファに横にする。
そんな間もキスはやめない。
ねちねちとした感触も、唾液でいっぱいだった。
「側に、いろ」
キスの合間に聞こえる彼の囁きは、悪魔の誘いみたいに吉岡の理性を吹き飛ばす。
吉岡は、キスを止めて、そのまま首筋を吸い上げた。
「は……ッ」
唇を解放すると、直接。
彼の声が響いてくる。
痩せている喉ぼとけに歯を立てると、保住は、首をのけ反らせる。
露わになった白い首は細くて、折れてしまいそうだ。
「食べてしまいたい」
「……変態だな。吉岡」
つい思っていることが口に出てしまう。
吉岡は顔を真っ赤にした。
「だって、つい」
恥ずかしがって、身体を起こそうとする吉岡の首に腕を回して引き寄せる。
「逃げるな」
「すみません……」
お互いに抑えてきたこの思い。
激情のようにあふれ出す。
息をすることも忘れるくらい、誘われた口付けを抑えることなんてできない。
「ん……ッ、うん……んっ」
保住の体調を気遣わなくてはいけないのに。
頭のどこかでそうわかっているのに。
止められない。
保住の腰に腕を回し、抱き上げてソファから下ろす。
カーペットは背中にひんやりしているけど、そんなことはお構いなしだ。
背中から手を忍ばせ、背骨をなぞりあげると、保住の身体が震えた。
我慢できない。
もう、我慢できない。
「保住、さん……」
「は、はッ……ッ」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 109