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悪の罠 01
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何気ないゆったりとした平和な日常が過ぎていく。
いや、平和…ではないかも。
最近は、篠原からよく「俺のことどう思ってんの??」と聞かれる毎日。
そして、「来なかったら、あの写真バラしますからね。」と俺を脅して呼び出し、いろいろなことをされるのが日常化してきた。
そして、今も…
「ちょっ、篠原!!」
壁に追い込まれ、両側には篠原の腕。
目の前には篠原の顔。
「ね、先輩。キスさせて。」
篠原の顔が近づいてくる。
篠原の唇を手で覆ってキスを拒む。
「俺の話聞けよ。」
「何??」
「だから、こういうことのために授業中に呼び出すな。」
「ダメなの??」
「ダメに決まってるだろ。」
「なんで??」
「なんでって…」
「俺は先輩が好き。」
「っ!!」
「だから、どんなときだって会いたい。」
「だからって授業中は…。おまえだって、勉強遅れたら困るだろ。」
すると、篠原の表情が変わる。
何を言ってるの??とでも言いたそうだ。
「…なんだよ。」
「先輩、俺のこと何も知らないんですね。」
「は??」
「俺、授業中はずっと寝てます。」
「……は??」
「だから、別に授業なんて出なくても大丈夫なんですよ。」
授業まともに受けてなくてあの成績。
なんか…
「やっぱおまえムカつく。」
「は!?なんでですか!?」
「うるせー!!てか、離せ!!」
篠原の胸を押す。
でも、ビクともしない。
「先輩、ちょっと落ち着いてください。」
篠原の手が俺の腕を捉える。
胸を押しているのを制しているようだ。
「ちょっ、何すん……」
あれ…??
なんか、こいつの手…
「先輩??」
「なぁ、おまえケンカでもしたのか??」
「え??」
「手…腫れてるし。」
手にあった視線を顔のほうに持っていく。
「っ…」
そういえば、恥ずかしくてよく見てなかったけど…
篠原の少し赤くなっている頬に触れる。
「頬も少しだけど腫れてる。」
「……もしかして、心配してくれるんですか??」
「……」
「先輩から、キスしてくれたら、一発で治るんだけどなー。」
「茶化すなよ。」
「……」
「本当のことを言ってくれ。ケンカ…したのか??」
「男なら、売られたケンカは買うしかないでしょ。」
「なっ!!」
「大丈夫ですよ。勝ったんで。」
「そういう問題じゃないだろ!!」
篠原の胸ぐらを掴む。
目の前には篠原の顔が。
腫れた頬に自然と目がいってしまう。
その腫れた頬を見ると、怒鳴る気にもなれず。
体から力が抜けていき、篠原の胸ぐらから手を離して、その場にしゃがみこんだ。
「先輩??」
俺がしゃがんだからか、篠原もしゃがみこむ。
篠原の爽やかな香水の香りが鼻をついた。
「お願いだから、あんまり無茶するなよ…。」
「……」
「そういうことは…お願いだからしないでくれ。」
「先輩…俺のこと心配してくれんの??」
「や、ちがっ!!…いや、違わないけど、あ、えっと、そうじゃなくて、」
篠原の手が俺の腕を掴む。
そして、グイッと抱き寄せられた。
「うれしい…」
「篠原??」
「うれしいです、先輩。」
「っ!!……ていうか、離せよ。」
篠原の体を離そうとするが、力が適わない。
「おい、」
「もう少しだけ…」
「ぇ??」
「もう少しだけ…このままでいさせて。」
そんなこと言われたら、抵抗できるわけもなくて…
俺は篠原の背中に手を回し、篠原の肩に顔を埋めた。
真っ赤な顔を見られたくなくて。
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