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悪の罠 09にしおりをはさみました!
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悪の罠 09
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「俺さ、喧嘩できるカップルっていいカップルだと思うんだ。」
「そうか??」
「うん。だってさ、喧嘩できるってことは、言い換えれば、自分の本音をぶつけることができるってことだろ??」
「それは確かに、そうだろうけど…」
それでも、俺は喧嘩できることがいいとは思えなかった。
すると、そんな俺に気づいたのか、佑介は違う話を始めた。
「俺さ、はるちゃんが好きなんだよね。」
「へー、そうなんだ…って、ええぇぇぇぇ!!!!?!???」
思わず、大きな声が溢れ出た。
佑介は、「驚きすぎ。」って笑っていた。
「いや、驚くだろ、普通。」
「そうかな??みんな知ってると思うけど。」
いや、知らねーよ。
他の奴が知ってるかどうかはわかんねーけど、俺は知らなかった。
「でも、なんではるちゃん??」
「んー、なんでかな…一目惚れ??」
「え、まじで??」
「いや、一目惚れかはわかんないけどさ、」
わかんねーのかよ…
「はるちゃんは覚えてないみたいなんだけど、俺、昔いろいろはるちゃんに助けてもらってさ。」
「そうなんだ。」
「うん。それで、高校で再会して、おまけに苗字まで一緒って…運命感じない??」
「…は??」
「だーかーらッ!!はるちゃんと俺は運命なの!!」
そんなんで運命って…
でも、もしかして…
「あのさ、佑介。」
「ん??」
「おまえが一番嫌いな数学の授業をまじめにサボらず受けるのって…」
「あぁ、もちろん、はるちゃんの授業だからに決まってるじゃん!!」
だよな…
その調子で他の授業もサボらずまじめに受けてほしいんだけどな…
そんなことを思いながら、再び佑介が口を開いたので、俺は大人しくそれを聞いた。
「1年のころから、ずっと好きでさ…。でも、なかなか振り向いてもらえねーんだよな…。」
いつも明るい佑介が悲しい顔を見せた。
それくらい、はるちゃんが好きなんだってことがひしひしと伝わってくる。
「だから、おまえらが羨ましいんだよね…」
「羨ましい??」
「うん。だって、喧嘩できるくらい仲がいいんだからさ…」
「でも、喧嘩できるからって仲がいいとは…」
「だけど、俺たちは喧嘩すらできないから。」
「っ…」
佑介の言葉があまりにも苦しくて、一瞬息が出来なくなった。
「ごめん…」
「なんでおまえが謝んだよ。」
「だって…」
佑介のこと、何も知らないのに…
こんな無神経なこと…
「別に、気にしてないから。」
佑介の手が俺の頭の上にのる。
優しく、ポンポンと撫でてくれた。
「だから、おまえが謝る必要はないんだよ。」
俺に優しい笑顔を向ける佑介。
その笑顔を見ると、俺も自然と頬が緩んだ。
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