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『葛藤』にしおりをはさみました!
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『葛藤』
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「……そんなに怖い顔しなくてもいいと思うけど。」
笑顔な緋色とはうってかわり
怖い顔をする雪都。
「よくまぁここへ来れましたね。できれば貴方と兼都はあわせたく無いのですが。」
「きたくてきた訳じゃない。できれば君の顔なんて見たくもない。
ただ1つだけ。
雨を俺にくれないか、雪都。」
雪都は怒りに震えていた。
今にも爆発しそうなほどの怒り。
「…私たちからこれ以上家族を奪わないで頂きたい。」
静かに
されど重い怒りを含んだ口調だ。
「最初に奪ったのは君の母親だ。俺の家族を君だって奪った。
お互い様じゃないかな。
せれに君は雨を
守れないじゃないか。
いや…守れなかった。
知ってたかい?
ボロボロになって雨は死のうとしたんだ。
君はそのことに気づかなかっただろう。
だから雨は俺を選んだ。傍にいる俺を選んだんだよ。
雨が出した答えに
君は反論できるのなら俺は何も言わないけどね。」
雪都は一瞬戸惑った。
目の前の男がいうことは
事実で、それを受け入れないということは
ただの俺のエゴかもしれないと。
雪都は優しい。
だからこそ他人を自分の感情で縛ることはできない。それに
雨を守る約束を、あの日零と…
雨の父としたはずだった。
だがどうだ…今の自分は雨を守れていない。
そう…守れなかった。
「…雨が望んた答えに従いましょう。」
それ以外の返答などできやしなかった。
元々この場所から離す予定だった。
雨を知る奴らがいないところへ。
それがこの男の元へと変わっただけだ。
それで雨が守れるなら・・・・・。
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