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37 《一時》にしおりをはさみました!
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37 《一時》
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《一時》
車に乗るのにマゴマゴしてて、シートベルトの仕方もわからない。
誤魔化してだけど、車に乗るの多分初めてだ。
全く、どういう育ち方してたらこうなるんだ??
目をまん丸くして、景色を見ていたけど次第に元気がなくなった?
酔ったのか?
「元気です!!」
って言ったが……なんか寂しそう?
とりあえず頭撫でてやったら、泣きそうな顔した?
うーーん……わからん。
「テストはどうだった?」
「はい!
えっと…普通です。」
今度は一転してニコニコ答える。
「そうか。」
「あーー…明日から休みか?」
「いえ、えっと…24日からです!」
ニコニコ、ニコニコと笑ってるけど、話が続かない!!
話題、話題……。
「んー……、もうすぐクリスマスだな?」
「そうですね。」
「ほら…あれだ…あ、クリスマス友達と過ごすのか?」
「いいえ。」
「そしたら家族とだな。」
「あ……はい、そう…です。」
フイと目を晒して、それでもやっぱりニコニコと言う。
なんだ?
………ま、いいか。
「俺は友達とクリスマスに託けて、飲み会だ。
まぁでも、街が賑やかでイルミネーションもしてて、みんな浮かれてて悪くないかな。
夜通し飲むんだ。
小さい頃は、早く寝ないとサンタさんが来てくれない、って言われたけど。」
「サンタ…クロース?」
「そ。
小学三年の時にこっそり起きてて、お袋がプレゼント置いたのは衝撃だった。
サンタはお袋だったんだ。
まぁ薄々わかってたけど、それでもいるんじゃないか、って期待してただけに。」
何、自分語りしてるんだ、俺は!
でも話がそうでもしないと、続かん!
この子はこの子で、キラキラした目で話聞いてるし。
「那月は?
今もプレゼントもらうのか?」
中3だから、微妙だな。
「え…ともらった事ないです。」
きょとんとした顔で言われる。
「は?一回も?」
頷きかけた那月は、俺の顔見て
しまった!という顔して、慌てて誤魔化した。
「あ…!えっと……今は、です!!
小さい頃はもらってました!」
明らかに嘘。
だから、なんで嘘を吐く?
あ、もしかしたら宗教上の理由、か?
あんまり触れない方が良さそうだ。
「えー……さっき何考えてた?」
「え?
あ……あ、河があってそれをみたから。」
「河?
ああ、大きな河だろ?」
「はい。
それ見てたら、海に続くんだなぁ、って。」
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