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98 《一時》にしおりをはさみました!
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98 《一時》
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《一時》
どんな顔して那月と話したら良いのか、わからない!!
だから、なるべく顔に表さないように心がける。
平常心!
平常心!
那月の方は明らかに挙動不審だ。
そうだよな
いきなりキスされたんだ。
でも、ここでキスの話題は避けたい!
俺の方も平常心では居られなくなる!
なんとかして、横たえる事に成功した。
「……守谷さん?」
「鎮静剤が効いてるうちに眠れ。」
「……はい。」
「安心しろ。
俺は見捨てないし見放さない。」
「……はい。」
「じゃあ隣の部屋に行ってる。
何かあったら呼べよ?」
「はい。」
那月は慌てて目を閉じた。
顎まで布団を掛ける。
「…ありがと…ございます……。」
小さな身体の温もりが離れていく事が、寂しかった。
ダメだ!
隣に行って、頭を整理しないと。
俺の方が地味にパニックだ!
ドアを開ける時振り返ったら、那月が目だけ出してこっちを見てる。
俺が振り返ったものだから、慌てて目を閉じたけど。
まるで悪戯を見たかった子供。
なんとなく微笑ましくて。
……考えるのは此処でも出来る、か。
「ほら、付いててやるから眠れ。」
ベッドの横に椅子を持って来て言った。
「そんな!悪いです!」
布団跳ね除けて言う。
「ほら!」
怖い顔で布団を直し、その手を伸ばして目隠しする。
「……守谷さん…?」
「いるよ。
安心して眠れ?」
「……はい……。」
とは言ったものの、那月はソワソワして落ち着かない。
かと言って離れたら、眠らずにまたいろんな事をグチグチ考えるのがオチだろう。
もう片方の手を、トントンとゆっくりしたペースで叩いてやる。
子供の頃に母親にやってもらってた通りにしたら、モゾモゾしてたのが静かになった。
寝たか?
目の上に置いた手を外してみたら、すっかり眠ってた。
当たり前だ。
体力的にもうとうに限界過ぎてる。
なぁ…那月?
俺は一体、どうしちまったのかなぁ……。
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